「クラスメイトのイケメン男子の
石井君と付き合いたい」
そう思って、
流れ星に願い事をすることにした。
スマホで録画してみたが、
叶わなかった。
流星群も試したが、
毎回更新されるからだろうか、叶わない。
たった1秒以下で流れ星に3回願いを唱えるのはハードだった。
色々悩んだ。
いつしか流れ星を見ると
頭の中で石井君が3人思い浮かぶようになった。
画像編集のアプリ広告が表示された。
「不要なモノが消せます!」
と、大きな文字で宣伝が入る。
空に写った邪魔な電線、
景観を損ねる杭などが自然に消せるらしい。
これは便利だと、妻にも勧め楽しんだ。
ある日、妻の待受画面がチラリと見えた。
キレイな海辺で妻と娘が笑顔で写っている。
懐かしいな〜と思っていると、
ふと気づく。
たしか、隣に私も写っていたはずだが。
たとえ間違いだったとしても、
さみしい…
「何もいらない」
当然、一度は手に入れてから
言ってるんですよね?
もしも未来がみれるなら
録画機能もお願いします。
最近、忘れっぽいんです。
詩人「私は今まで、無色の世界を歩んできました」
オレ「無職だったんスか?」
詩人「はい、それはとても虚無なもので、先の見えない世界でした」
オレ「きついっスね」
詩人「どうすればいいのか途方にくれる毎日でした」
オレ「労働とかなかったんスか?」
詩人「確かにロード(道)はありました。しかし、誰かの作ったロードを歩むつもりはありませんでした」
オレ「カッコイイっスね。オレ、いつも時給で選んでるっスわ」
詩人「持久で自分のロードを選ぶのは恥ずかしいことではありません。私は幼い頃から持久(力)がありませんでしたから、選ぶことも出来ませんでした」
オレ「マジっスか?超ブラックっスね」
詩人「確かに他人から見れば暗い世界かもしれません。しかし、私にとってはまだそこは無色の世界でした」
オレ「(時給がないなら)そうなんスか?」
詩人「そんな私でも努力を続けた結果、みるみる持久(力)がついていったのです」
オレ「無職じゃなくなったんスね」
詩人「はい」