まさる

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4/16/2024, 11:02:16 AM

授業中に夢見る心君は
寝言を言った。
「どうせお前らも影でそこそこ笑ってるんだろっ!」
それを聞いた隣の女子が
「こそこそじゃね?」
と、ツッコんだ。
みんなそこそこ笑った。
心君は知る由もない。

4/16/2024, 6:51:37 AM

クローゼットの中を整理していると、
友人から
「苦労が多いね」
と、言われた。
友人は高級クラブのホステスである。
なるほど、彼女くらいになると、
着ている服で相手の心理状態が分かるらしい。
さすがである。
私は「そうなのよ…」
と、今までの苦労を赤裸々に語った。
語り終えると、友人はポカンとした表情を浮かべていた。
どうやら、
「苦労が多いね」ではなく
「黒が多いね」と言っていたようだ。
届かぬ想い…

4/14/2024, 12:05:08 PM

「みんな、自分の願い事ばっかりで、
全然自分のこと気にかけてくれない」
神様ヘルプ窓口に訪れた神様は言った。
私はうんうんと頷く。
まずは相手の話を否定せずに聞くことが重要である。
今、ちまたでは
「ゴッドハラスメント」なるものが流行っているらしい。
登校拒否ならぬ降臨拒否、
不登校ならぬ不登降である。

4/13/2024, 10:45:07 AM

「シヌノワイヤー!」
と、ロボットに乗った美少女が叫んだ。
快晴の空に響く。
怪人の私は何か強力なワイヤーを射出するのだろうと身構えた。
しかし、一向に射出されない。
どうやら彼女は
「死ぬのは嫌っ!」
と、叫んでいたらしい。
人間は非道である。

4/13/2024, 2:36:51 AM

「さて、人間どもを殺戮しよう」
地球に到着して早々にリーダーが言った。
仲間達が頷く。
「今回はこの薬をこの星に散布する」
リーダーはおもむろに懐から小指サイズの小瓶を取り出した。
仲間達はそれを見て震え上がった。
「そ、それはあまりにも残酷ですっ!」
「わかっている。しかし、急がねばならん任務だ。致し方ない」
散布を終えた宇宙船は遠くの空へと消えていった。

僕は船内で先輩に尋ねた。
「あの薬ってどんな効果があるんですか?」
「人間を強制的に500年ほどしか生きられない身体にする薬だ」
「そ、そんな!なんて残酷で非人道的な薬なんだ!」
僕達、ヨクイキール人の寿命は約5億年である。
寿命500年といえば、ヨクイキール蝉と同じくらいだ。
はかな過ぎる。
自分達ヨクイキール人の残虐性に僕は憤りを感じた。

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