画像編集のアプリ広告が表示された。
「不要なモノが消せます!」
と、大きな文字で宣伝が入る。
空に写った邪魔な電線、
景観を損ねる杭などが自然に消せるらしい。
これは便利だと、妻にも勧め楽しんだ。
ある日、妻の待受画面がチラリと見えた。
キレイな海辺で妻と娘が笑顔で写っている。
懐かしいな〜と思っていると、
ふと気づく。
たしか、隣に私も写っていたはずだが。
たとえ間違いだったとしても、
さみしい…
「何もいらない」
当然、一度は手に入れてから
言ってるんですよね?
もしも未来がみれるなら
録画機能もお願いします。
最近、忘れっぽいんです。
詩人「私は今まで、無色の世界を歩んできました」
オレ「無職だったんスか?」
詩人「はい、それはとても虚無なもので、先の見えない世界でした」
オレ「きついっスね」
詩人「どうすればいいのか途方にくれる毎日でした」
オレ「労働とかなかったんスか?」
詩人「確かにロード(道)はありました。しかし、誰かの作ったロードを歩むつもりはありませんでした」
オレ「カッコイイっスね。オレ、いつも時給で選んでるっスわ」
詩人「持久で自分のロードを選ぶのは恥ずかしいことではありません。私は幼い頃から持久(力)がありませんでしたから、選ぶことも出来ませんでした」
オレ「マジっスか?超ブラックっスね」
詩人「確かに他人から見れば暗い世界かもしれません。しかし、私にとってはまだそこは無色の世界でした」
オレ「(時給がないなら)そうなんスか?」
詩人「そんな私でも努力を続けた結果、みるみる持久(力)がついていったのです」
オレ「無職じゃなくなったんスね」
詩人「はい」
授業中に夢見る心君は
寝言を言った。
「どうせお前らも影でそこそこ笑ってるんだろっ!」
それを聞いた隣の女子が
「こそこそじゃね?」
と、ツッコんだ。
みんなそこそこ笑った。
心君は知る由もない。