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3/27/2025, 6:06:02 AM

「ねえ、見てみて」
雨上がりの空を、キミは指差す。
「おっ、虹か。でかいな」
「ホントに大きいね。しかも、七色がはっきりしてて、すごくキレイ」
キミはスマホを取り出し、虹に向ける。
「ねえ、知ってる?」
キミは写真を撮りながら、僕の方をちらりと見て
「カップルが一緒に虹を見ると、2人の関係が進むかも…なんだって」
顔を赤くする。
「へえ、そうなんだ。でも…」
僕はキミを後ろから抱きしめ
「虹を2人で見ていなかったとしても、キミを手放す気なんて、全然ないよ」
そう告げると、キミの顔は、さらに赤くなるのだった。

3/26/2025, 8:01:47 AM

まとめてですみません。
bye bye… 曇り もう二度と 記憶 です


bye bye…

「もうさ、バイバイしようよ」
「…え?」
突然の彼の言葉に、バイバイって何?今日のデートはもう終わりってこと?それとも…別れるってこと?と、呆然としていると
「自分に劣等感を持つのはさ」
ニコッと笑われる。
「…何…言って…」
「さっきからさ、すれ違う人と自分を見比べては、ため息吐いてるでしょ」
フッと笑われ
「…見られて、たんだね」
気づかれていたことに困惑して思わず目を逸らすと、隣にいた彼は私の目の前に立ち
「俺は、キミがキミだから好きになったし、そのままのキミと一緒にいたいと思ってる。だから、誰かと比べることはもうやめよう」
私の目を見つめ微笑む。
「…でも」
泣きそうな私の髪を撫で
「すぐじゃなくてもいい。キミが自信を持てるように、俺も想いを言葉にするから。ね」
優しく諭され
「…うん、頑張る」
「よし」
頷く私の髪を、彼はぐしゃぐしゃにかき混ぜながら、ニッと笑った。
「もう」
ぐしゃぐしゃになった髪を押さえつけながら
「bye bye…今日までの私」
そっと呟き、前を向くように笑ってみたのだった。


曇り

デートの待ち合わせに向かおうと外に出ると、曇り空が広がっていた。
「曇りかぁ」
いつもなら空を見上げため息を吐くところだけれど、今日はどんな天気でもニコニコだった。
「だって、キミとデートだから」
キミと会える日は、僕にとってはいつでも晴れ。
「早く行こ」
晴れやかな気持ちで、僕は待ち合わせ場所に向かうのだった。


もう二度と

「もう二度としないように気をつけます」
俺の目の前で頭を下げる部下。発注数を間違えて多くしてしまい、上司である俺が、何とかしたのだけれど…。
「気持ちはわかった。だから、頭を上げて」
「はい。本当に、すみませんでした」
謝罪をし、彼は頭を上げる。
「今回は何とかなったし、そんなに気にしなくてもいいよ。今度から気をつけてくれれば」
「…はい」
と言っても、落ち込んだ彼の顔は晴れない。
「ミスは、気をつけていてもしてしまうもの。だから、ミスをするのは仕方のないことだと思う。俺もするしね。ただ、ミスに気づいたらすぐに知らせてほしい。早ければ早いほど対策の仕様があるから、そこはお願い」
「はい」
「何かあったときのために俺はいるんだから、ミスしたら。なんて考えないで、今まで通りに頑張って。頼りにしてるよ」
笑顔で彼の肩をポンと叩くと
「はい。期待に応えられるように頑張ります」
いつもの頑張り屋な彼に戻る。
失礼します。と俺に背を向けた彼の背中を見ながら、負けないように俺も頑張らないとな。と思うのだった。


記憶

「俺と付き合ってください」
ずっと好きだったキミに想いを告げると
「…考えさせて、ください」
キミは悲しそうに目を伏せる。
「うん、返事は急がなくていいよ」
笑顔で応えたけれど、内心では
イヤって言われなかったんだし、望みはあるかな?
とか
すぐに断るのは申し訳ない。って思って、返事を後にした。とか?
と、ぐるぐると考えていた。けれど、そんなことを考えながらも、悲しそうな顔をするキミのことが気になり
「…もしかして、俺に想われるのはイヤだった?」
そんな言葉が口をついて出た。
「え、違う、そんなことない」
2人きりで話すことはないけれど、みんなでいるときに話すと笑顔を見せてくれる。その笑顔を独り占めしたいな。という思いから好きになったキミに、迷惑だと思われるのはイヤだった。
「じゃあなんで、そんなに悲しそうなの?」
「…私ね、男の人が恐いの」
胸をギュッと押さえ、キミは俺から目を逸らす。
「え?」
「想いを伝えてもらえてうれしいのに、ずっと2人きりでいるのは、できなくて…」
そう言って俯くキミに
「それって、何かそうなる出来事があったってことだよね?」
「…うん」
「なら俺が、そのイヤな記憶を、楽しい記憶に変えられるように頑張るよ」
俺は笑顔を向ける。
「でも…」
「今は、友達みんなで話したり、遊んだりしよ。そうやって過ごす中で、俺と一緒にいても大丈夫だ。って思えたら、付き合ってくれますか?」
「…ありがとう」
目を細め笑うキミに、キミが笑顔でいられるように頑張らないと。と思いながら、笑みを返したのだった。

3/22/2025, 8:53:15 AM

どこ? 手を繋いで 君と見た景色 です

どこ?

「あれー、どこに置いたんだろう?」
僕は今、テレビのリモコンを探している。いつも置いてある場所では見当たらず、けど、辺りを探しても見つからない。
「おっかしいなぁ、どこ?どこだ?」
クッションを持ち上げたり、ソファをくまなく探しても、やっぱりない。
「うーん」
どうしたものかと困っていると
「どうかしたの?」
キミがリビングに顔を出す。
「テレビのリモコンが見当たらなくて」
「ああ、それなら」
キミは懐からリモコンを取り出す。
「良かった、キミが持ってたのか」
リモコンを渡してもらおうと手を出すと、キミはダメというように、首を横に振る。
「え?なんで?」
そう聞いた僕に、キミは不機嫌そうな顔になり
「おうちデートしてるんだよ?私をほったらかしてテレビを見るの?」
頬を膨らませる。
「…ごめん」
僕は出した手を引っ込め
「一緒に何かしてても別々に過ごしてても、キミがここにいてくれるだけで僕は幸せで。キミをほったらかしてるつもりはなかったんだ」
謝ると
「そっか」
キミは笑ってリモコンを渡してくれる。
「いいの?」
「うん。一緒に見よっか」
キミは僕の手を引くと、並んでソファに座ったのだった。


手を繋いで

楽しいときも、うれしいときも、怒ってるときも、悲しいときも、いつも隣で手を繋いでて。
あなたの手の温もりで、楽しいとき、うれしいときは笑顔があふれ、怒ってるとき、悲しいときは心が落ち着くの。
大好きなあなたに手を繋いでもらえたら、私は幸せでいられる。
私もあなたの手を繋いで、あなたへの想いを伝えるね。
だからずっと、私の手を繋いでて。


君と見た景色

君と見た景色をずっと覚えていたいけど、きちんと覚えておくことは難しいから、代わりに写真をいっぱい撮ろう。
君と行く場所は、どこもキラキラ輝いてて、君の笑顔もキラキラ輝く。
きっと1人では輝いて見えないんだろうな。
大好きな君と一緒だから、どこに行っても楽しいし、忘れたくないと思える。
これからもいっぱい、いろんな場所に出かけよう。
大好きな君と、たくさんの笑顔を残しておきたいから。

3/19/2025, 9:19:43 AM

「キミのことが大好きだよ」
キミの手を取り伝えると
「ありがとう。私も大好きだよ」
微笑まれる。
大好き。って、短い言葉で伝える愛。
伝えても、聞いても、心が幸せで満たされる。
「これからも、いっぱい大好きって伝えるね」
「うん」
キミは幸せそうに目を細める。
それを見た僕も、幸せなのだった。

3/18/2025, 8:42:25 AM

学校を卒業してから、初めて同窓会が開催されることを知り、地元に戻ってきた。
「みんなに会えるの楽しみだな」
学生時代しか知らないみんなが、どんな大人になっているのか、俺は今からワクワクしていた。
「でも1番は…」
その当時好きだった子。在学当時は想いを伝えられなかったけれど、今でも想いは忘れられず…。
「会えたら今度こそ…」
そう決心して、俺は同窓会に向かった。

「久しぶり、元気そうで良かった」
「お前もな」
仲が良かった奴らと、久しぶりに会うのに、当時のように話が盛り上がる。
「そういやお前、知ってるか?」
「ん?何を?」
「あの子、今日来てないだろ」
「え?そうなの?」
想いを伝えようと思っていたのに、来てないのか。と、残念に思う間もなく
「ああ。結婚して遠くに行ったみたいで、なかなかこっちに来られないらしい」
追い打ちをかけられる。
「へえ、そうなんだ」
何とか返事はしたものの、俺の心は複雑で。
告白する前に失恋した俺の恋。
あの子が俺の恋人になる。
叶わぬ夢とわかっているのに、この想いを断ち切ることができないのだった。

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