願いが1つ叶うならば と 星 です
願いが1つ叶うならば
願いが1つ叶うならば、僕はもちろん
「告白が成功しますように」
と願う。
好きな子とは、友達みんなでだけど一緒に出かけたり、よく2人で話したりもしてる。
一緒にいると、とにかく楽しいし、これからは2人でいろんなとこに行きたいと思ってる。
だからお願い。
僕の想いが、叶いますように。
星
夜空に輝く星を見上げ、僕はそっとため息を吐く。
星たちが空を明るく照らす時間。それは、キミと過ごす時間の終わりの合図。
「もっと一緒にいたいのに」
そう思うけれど
「あまり遅くまでは」
と言われては、ワガママを言うわけにもいかない。
「これはきっと試練なんだ」
僕ともっと一緒にいたい。キミがそう思ってくれるまで耐えてみせる。心の中で星たちに誓い、繋いだキミの手を放すのだった。
ラララ 秘密の場所 嗚呼 です
ラララ
「うーん、良い天気」
仕事が一段落して、キミと久しぶりに会えることになり、俺は待ち合わせの場所に向かっていた。
「あ、もう来てる」
待ち合わせ場所に近づくと、すでにキミが待っているのが見えた。
「ん?」
なんとなく、俺を待っているキミは、ラララと歌い出しそうなほど嬉しそうな顔をしているように見える。
「何か良いことがあったのかな?」
そんなことを思いながら、少しずつキミに近づくと、俺に気づいたキミが、小走りで向かって来た。
「久しぶり」
キミは俺の前で立ち止まると、花が咲いたように笑う。
「久しぶりだね。何か良いことでもあった?すごく嬉しそう」
そう聞くと
「すごく会いたかったあなたに、会えたから嬉しくて」
キミは目を細めて笑う。
「っ………」
キミの言葉に、俺はキミを強く抱きしめたのだった。
秘密の場所
「はぁ〜」
俺は今、木々に囲まれた場所で、木にもたれかかり、深いため息を吐いていた。
「疲れたなぁ」
日々の積み重なった疲れをため息とともに吐き出す。
「はぁ〜」
何度かそれを繰り返し、空を見上げると
「…キレイな空だなあ」
木々の間から見える空に、疲れが溶けていくのを感じる。
ここは、疲れたときに来る、俺の秘密の場所。
昼間はキレイな空が見え、夜には輝く星たちを見ることができる、癒しの場所。でも
「大切な人ができたら、ここに連れて来たいな」
そう思うのだった。
嗚呼
「嗚呼、なんてことだ。サイズがわからないなんて」
キミにプロポーズしようと決め、指輪を買おうと思ったのに、肝心のサイズがわからない。思わず、頭を抱え叫んでしまった。
「けど、プロポーズ予定の人たちって、相手のサイズ、どうしてるんだろう?」
どうしたものかと、ため息を吐いたのだった。
そよそよと吹く、風が運ぶもの。
揺らした木々の葉。
たんぽぽの綿毛。
舞い落ちる桜の花びら。
ふわりと舞う雪。
鼻腔をくすぐる、いい香り。
そして、
「遅れてごめんね」
僕を見つけたキミの、少し大きめの声。
風は、僕にいろいろなものを運び、届けてくれる。
約束 と question です
約束
どんなに遅くなってしまっても、どれだけお題が難しくても、きちんと考え提出する。
それが、自分で自分にした約束。
今のところ守られているこの約束。
これからも守れるように頑張ります。
question
「突然ですが、ここであなたにquestion」
キミとデートし、まだ明るい時間ではあるけれど、用事があるため帰ろうとしたら、キミが少し大きな声を出す。
「え、何?」
目をぱちくりさせながらキミを見ると
「わ、わ、私の、どこが好きですか?」
うつむき加減で耳を赤くし、キミはそう言う。
「え?…ええっと…」
戸惑いながらもちゃんと答えなきゃと考え込んでいると
「あの、もしかして、好きなところ、ない…とか…」
キミの悲しそうな声が聞こえる。
「え、違うよ違う。考えてただけだから」
慌てて言った僕の言葉に
「考えないと出てこないくらい、好きなところがないの?」
キミは泣きそうな顔をする。
「違うよ、そうじゃなくて」
僕はキミを抱き寄せ
「キミのこと、気づいたら好きになってたんだ。だから、具体的にどこ?って言われると全部としか言えなくて…」
ちゃんと言えなくてシュンとすると
「ありがとう。大好き」
キミはうれしそうに笑って、僕にキスをくれたのでした。
あの日の温もり 芽吹きのとき 誰かしら? ひらり です。
遅れましたが、これからも頑張ります。
あの日の温もり
「ニャー」
僕が家にいると、僕の体にピタリとくっついてくる、我が家のかわいい猫。
家の中を移動するとあとをついてくる、ホントにかわいい子だけれど、僕に懐くまで大変だった。
近づけば逃げて行くし、撫でようとするとシャーと怒る。
それでも仲良くなりたくて、諦めず、根気良く接していたら、だんだん気を許してくれ、ついには、抱っこすることができた。
この先、何度抱っこしたとしても、初めて抱っこできたあの日の温もりは、忘れることはないだろう。
芽吹きのとき
「はぁ〜、ダルい」
日中も寒い、2月中旬。こたつに入り、ダラダラしていると
「ホントに寒いね。もう動きたくないよ」
洗濯物を終えたキミが、こたつに入ってくる。
「早く温かくなってほしいね」
こたつにうつ伏せになり、ため息を吐くと
「そうだね。でも今頃って、草木が芽を出す芽吹きのときでしょ?温かくなるまでもう少しなんじゃない?」
もうちょっとの我慢だね。と、キミは笑う。
「芽吹きのとき…か。じゃあ僕たちも温かくなるときに備えて、今は充電期間。ってことで、のんびりしようか」
「うん、そうしよう」
キミと一緒に、こたつでのんびりと過ごすのだった。
誰かしら?
「ピンポーン」
チャイムが鳴り
「誰かしら?」
と、玄関のドアを開けると
「こんにちは」
訪ねて来たのはお隣さんで。
「いただきものなんですが、お裾分けに」
「ありがとうございます。ごちそうさまです」
有り難く、差し出された箱を受け取り、ドアを閉める。
「何だろう?」
部屋に戻り、受け取った箱を開けてみると
「あ、桜餅」
顔を出したのは、鮮やかなピンク色の桜餅。
「うれしい。早速いただいちゃおう」
箱をテーブルに置き、ウキウキ気分でお茶を用意する。
「ん、美味しい」
お隣さんに春を分けてもらい、笑顔の花が咲いたのでした。
ひらり
ひらりひらりと空を舞う桜の花びら。
そよ風に吹かれ、風と遊んでいるかのように、あちこちに舞っては地上へ降りていく。
「…キレイ」
桜の木を見上げ、風に揺れる木々を見つめる。
「葉桜になってしまう前に、ゆっくり見に来たいな」
仕事に向かう途中、もらった少しの癒し。
今度はゆっくり見に来ると決め、名残惜しい気持ちを風に溶かし、仕事に向かうのだった。