力を込めて抱きしめたら、折れてしまいそうなほど華奢なキミが、肩を震わせ涙を流している。
「だいじょ…」
大丈夫?と言いかけて言葉を止める。大丈夫じゃないから、泣いているんだから。
なら、泣いているキミを目の前に、僕にできることは…。
そう考え、キミを包み込むように抱きしめると、キミは僕の胸にしがみつき、声を上げて泣き出した。
僕のしてることは間違ってないんだな。と、ホッとする。
これからもキミに頼られる自分でいたい。
そう思いながら、キミが泣き止むまで、優しく髪を撫でたのだった。
今は、ちゃんと前を向いて歩いているけれど、
キミと出会うまでの僕は、ボロボロだった。
辛すぎる失恋の痛みに、仲良さそうな恋人たちに嫉妬して、八つ当たりしたり…。
ホントに僕は最低な奴だった。
だけどキミに出会って過ごしてるうちに、素直な感情が出せて、泣くことができて、長年の失恋の痛みを流すことができた。
過ぎた日を想うと、反省すべきことの方が多いだろう。
余計に傷を深くするだけなのに、誰かを傷つけたり、心の傷をごまかすみたいに遊んでみたり。
けどそれも、痛い思いをさせてしまったことは本当に申し訳ないけれど、キミと出会うために必要なことだったんじゃないか。って今は思う。
キミと幸せな日々を送るための、プロセスだったんじゃないか。って。
夜空に輝く星の並びを、いろいろな形に例えた星座。
本やネットじゃなく、見に行こうか。という話になり、彼女と一緒に海に向かった。
「キレイだね」
海岸から見上げた空には、数えきれないくらいの星たちが瞬いている。
「星座、どれだろう?」
スマホでサイトを開きながら、夜空に広がる星を確認していく。
「あ、あれが…」
空に向かって指を差しながら見ていくけれど
「うーん、これってそう見えるかなぁ」
これがこの星座。と言われても、そう見えるような見えないような…。
「星座に名前をつけた人は、創造力が豊かなんだね」
「そうだね」
彼女と微笑み合う。
星と星を繋げて形に例えた星座。
僕も彼女と、星座のように、見えない線で繋がっていたいな。そう思いながら、彼女と手を繋ぎ、星を見上げたのだった。
今僕は、バクバクと騒ぎまくる心臓を、両手で強く押さえている。
「はい。って言ってくれるかな」
時間が近づくにつれ、緊張がピークへと達していく。
今日は僕の通う学校の学園祭。そして、もう少しで後夜祭と称したダンスの時間になる。
僕たち男子が気になる女子をダンスに誘う…。
「あー、緊張する」
僕は、ダンスに誘うべく、気になっている子を探していた。
「あ、いた」
気になっている子は、友だちと一緒に何やら楽しそうに話している。
「声、かけづらいな」
友だちと一緒だと…。と声をかけるのを躊躇していると、その子たちの方へ歩いていくやつがいるのが見えた。
「迷っている場合じゃない」
先に声をかけられないようにと、僕は早歩きでその子に近づくと、右手を差し出し
「僕と踊りませんか?」
と、こわばった笑顔で伝えたのだった。
時間は限られているけれど、ここに来れば、いつでも会える。
そう信じて、見かけたけれど素通りしてしまったの。
なのにどうして。何度通ってもあなたはいない。
会いたくて会いたくて、時間を見つけては会いに行くのに、私に意地悪するように、あなたの姿はない。
ああ、あのとき。いつでも会えるなんて思わずに、立ち止まっていれば…。
だけど私は諦めない。
会えるまで何度でも何度でも通うから、私にその姿を見せて。
そして、あなたに巡り会えたら、私は迷わず手を伸ばすわ。食べてみたかった、期間限定のコンビニスイーツに。