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今僕は、バクバクと騒ぎまくる心臓を、両手で強く押さえている。
「はい。って言ってくれるかな」
時間が近づくにつれ、緊張がピークへと達していく。
今日は僕の通う学校の学園祭。そして、もう少しで後夜祭と称したダンスの時間になる。
僕たち男子が気になる女子をダンスに誘う…。
「あー、緊張する」
僕は、ダンスに誘うべく、気になっている子を探していた。
「あ、いた」
気になっている子は、友だちと一緒に何やら楽しそうに話している。
「声、かけづらいな」
友だちと一緒だと…。と声をかけるのを躊躇していると、その子たちの方へ歩いていくやつがいるのが見えた。
「迷っている場合じゃない」
先に声をかけられないようにと、僕は早歩きでその子に近づくと、右手を差し出し
「僕と踊りませんか?」
と、こわばった笑顔で伝えたのだった。

10/4/2024, 11:19:24 PM