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4/6/2023, 9:39:00 AM

星空の下で、キミと迎えた2人だけの結婚式。神父もいない、本当に2人だけ。さざ波の音をBGMに指輪を交換すれば、星たちが瞬き祝福をくれる。
「星って、こんなにキラキラ輝いてるのね」
うっとりとした表情で、キミは星空を眺める。
「ああ。こんなにキレイな星空を見たのは初めてだ」
俺たちが住んでいる場所では、こんなにキレイな星空は見れない。キミの
「自然豊かな場所で、2人だけでナイトウエディングがしたい」
という願いを叶えられたことで、夢のようなステキな景色を見ることができた。
「キミの願いのおかげだね」
キミを抱きしめ頬に手を添えると
「あなたが叶えてくれたからだよ」
星に負けないくらいの煌めく笑顔を見せる。
「この星のように、眩しいくらいに明るい道を、一緒に歩いて行こうね」
「うん」
夜空いっぱいに広がる星空の下、見守る星たちに誓うように、キミとキスを交わしたのだった。

4/5/2023, 5:22:12 AM

「今度の休みに服を買いに行きたいの。付き合ってくれる?」
仕事の休憩中、キミから届いたメッセージ。そういえば、この前カフェでファッション雑誌を読んでて、この服いいなぁ。って言ってたっけ。そんなことを思い出し
「もちろんいいよ」
と、返事をした。

「あった、これか」
迎えた休日。キミと一緒にショップに行くと、目当ての服を見つけたようだ。けど
「それが欲しい服?雑誌で見てたのとは違うよね?」
選んだ服は、普段キミが着そうにないもの。着たことがない系統の服にチャレンジしてみよう。ってワクワクドキドキしている感じでもない。
「うん。だって、あの服よりもこっちの方がいいって同僚が…」
「そうなんだね。でもキミは、雑誌で見てた服の方が欲しいんでしょ。なら、そっちにしなよ」
「でも…」
「同僚の方が言うように、その服もキミに似合うと思う。けど、欲しいと思ってないでしょ」
「え?」
「だって、雑誌を見てたときはキラキラした目をしてたのに、今はしてないよ」
「………」
「勧められたものを着るのも良いと思うけど、自分の着たい服を着た方が、気持ちも明るくならない?勧められたから仕方ないって気持ちなら、着ない方がいい。服がかわいそうだ」
「………」
「その服は、新しい自分に出会いたい、チャレンジしてみよう。って気持ちになったら迎えればいい。今は、今欲しい物を選びなよ」
「…そうだね」
俺の言葉が後押しになったのか、手にした服を戻し、欲しがっていた服を持って来る。
「うん。いい笑顔だ」
さっきまでとは違い、嬉しそうに笑っている。
「やっぱり、これがいい。これを着たいと思ってたの。同僚に言われたからそれにしようと思ったけど、私はこっちが欲しいしすぐにでも着たい」
「それでいいよ。誰かの意見を参考にするのはいい事だと思う。けど、最終的に選ぶのは自分なんだから、自分の好きなようにしな」
「うん」
「そうやって笑ってるキミが、俺は好きだよ」
顔を赤くして固まるキミの手から服をサッと取り、俺はレジに向かうのだった。

4/4/2023, 9:50:51 AM

「1つだけ、残ったね」
美味しいと評判のクッキー。
「一緒に食べようと思って買ってきたよ」
と、持って来てくれた。
「ありがとう。コーヒー入れるね」
2人分のコーヒーを入れ、早速いただく。
「美味しい」
「うん、美味い」
手が止まらなくなるほどの美味しさに、クッキーは一気に減っていく。そして
「1つだけ残ったね。最後の1つ、食べて」
キミは最後の1つを俺に差し出す。
「ありがとう。でもさ」
俺はクッキーを受け取ると、それを2つに割り
「一緒に食べたほうがさらに美味いよね」
割った片方をキミの手に乗せる。
「そうだね。ありがとう」
こうして、最後の1つを仲良く食べたのだった。

4/3/2023, 9:58:37 AM

「あなたの大切なものってなあに?」
のんびり過ごす休日。テーブルで3時のおやつを食べていると、目の前のキミが不意にそんなことを聞いてきた。
「何?急に」
ドーナツを食べる手を止め聞き返すと、今読んでいる雑誌に、あなたの大切なものは何ですか?というアンケートの結果が載っている。とのことで、俺にも聞いてみたそうだ。
「うーん、そうだなぁ」
ドーナツを一口かじり
「アンケートの結果はどうなの?」
気になったので聞いてみると
「お金だって」
と言われる。
「ふうん、お金ねえ」
ドーナツをもう一口かじり、飲み込んだあと、俺は口を開く。
「確かにお金は大切だけどさ、俺の大切なものは、キミとの生活かな」
「私との生活?」
「そう。愛するキミがここにいてくれる。一緒に笑ってくれる。同じ道を歩いてくれる。本当に毎日幸せで、かけがえのないものなんだ。そのかけがえのないものを失わないために、仕事も頑張れるんだよ。だからさ」
俺はキミの手を取り
「一緒にいてくれてありがとう」
笑顔を向けると
「こちらこそ、ありがとう」
キミも微笑んでくれたのだった。

4/2/2023, 7:33:52 AM

「4月1日。今日はエイプリルフールです。○○さん、何か嘘をつきましたか?」
ソファに座りぼんやりしていると、何となくついているテレビから、そんな言葉が聞こえる。
「エイプリルフール…ね」
あくびをしながらちらりと横を見ると、キミは雑誌を読んでいた。
「せっかくだし、何か嘘ついてみようかな」
そう思い、キミの方に体を向けると
「ねえ」
声をかける。
「ん?なあに?」
雑誌から顔を上げ、こちらを見たキミに
「ホントは、大嫌いだよ」
と言おうと口を開きかけたけど、この言葉を言ったとしたら、エイプリルフールの嘘だとわかっても、キミは悲しい気持ちになるんじゃないか。自分が言われたら、嘘だとしても絶対に傷つく。大好きだからこそ、嘘でもこんなこと言っちゃダメだ。
そんな思いが頭をよぎり
「コーヒー入れるけど、飲む?」
嘘をつくことをやめたのだった。

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