『優しさ』
昔から優しいねってよく言われた。
私には理解が出来なかった。
自分は優しいと思ってなかったし、
どう反応していいか分からなくて愛想笑いしてた。
優しさってなんだろう。
正解がないからこういうのは苦手。
誰かに優しいと思われたい訳じゃない。
せめて、
自分には優しく出来るようになりたいと思う。
『ミッドナイト』
鐘の音が聞こえた気がした。
私の魔法は解けてしまった。
ハッピーエンドに出来なかった。
せっかくのチャンスだったのに。
たくさん泣いた。
声が枯れるほどに泣いた。
まるで駄々をこねる子供のように泣いた。
私は灰かぶり姫。
王子様がガラスの靴を持ってきてくれる。
それで、国中から祝福される結婚式を挙げるの。
『安心と不安』
常に、不安が私の身に纏わりついている。
逃げることも抜け出すことも出来なくて、
不安が目の前に来ると、手も足も出せない。
本当にどうしようもなくて、
ただ苦しさを吐き出す以外に出来ることはなかった。
だから、安心できる何かがずっと欲しかった。
安心できるなら何でも良かった。
願わくば、
安心できる誰かに出会いたい。
『逆光』
記憶の片隅に、顔も覚えていない誰かがいる。
その人の声も表情も、何もかも思い出せない。
でも、いたという事だけが記憶の中にいる。
小さい頃の話でもないのに、
ほとんどが記憶の中から抜けている。
ただ、映画の一コマだけのような映像がある。
雪が積もっていて、だけど夕日が見えて、
あなたの後ろを歩いてる私に、あなたは声をかける。
表情も声も思い出せない。
あなたは私の光で太陽で、
だから、直視することが出来なかった。
私を見てるあなたの背後にある夕日が余計に、
あなたの輪郭をぼやかしてしまっていたと思った。
『こんな夢を見た』
とってもうれしい夢を見たんだ!
本当に嬉しそうな顔をして、そう言ったあなたは、
その後に、好きな人が夢に出てきた!と言った。
こんなに嬉しそうに、私に話すってことは、
その人は自分ではないのだと心が傷んだ。
嬉しそうな顔も、満面の笑みも、落ち込んでる姿も、
全部私だけが知っていればいいのに。
私が誰よりも愛するから、
あなたのその笑顔を私が作りたい。