【星空の下で】
あぁ、星が綺麗だ。
君は何処に居るんだろう。
僕はここにいるんだ、と。
君に見つけてもらいたくって、目一杯腕を広げた。
大きく息を吸い込むと、夜の少し冷たい空気が肺一杯に満たされる。
あぁ、君は何処に居るんだろう。
君の居場所が分かったなら、今すぐにでも駆け付けて強く抱き締めたい。
君だって、そうでしょ?
僕は寂しくて仕方無いよ。
ねぇ、そこにいるんでしょ?
輝く星を見詰めながら考える。
僕を置いていくなんて。許さないから。
ねぇ、僕もそっちに行っても良いかな。
この大きな星空の下じゃ、君が何処に居るのか分かんないや。
きっと、そこに行けば分かるよね。
あぁ、お星さま、お星さま。
そっちに行っても良いですか?
広い星空の下で。
輝く星に問いかけた。
るあ
【エイプリルフール】
「ねぇ、好き、付き合って?」
混乱した。
だがハッと気付く。
今日は4月1日、すなわちエイプリルフールだ。
つまり、先程の発言も嘘だろう。
「嫌です」
勘違い野郎になるつもりはないので丁重にお断りする。
いくら幼馴染みとはいえ、おふざけが過ぎる。
もし、僕がお前のこと好きだったらどうすんだよ。
本当は、好き......なんて、言うわけ無いけど。
要らぬ期待は生まない方が良いと思うな。
「ちぇ、釣れないのー」
プクっと頬を膨らませる君は、悔しいほどに可愛いかった。
全部本当だったら良かったのに。
エイプリルフールなんて嫌いだ。
るあ
【胸が高鳴る】
トクン。
それはきっと恋の始まりだった。
いつものように君に"おはよう"と告げて、席に戻るはずだった。
でも、そうはいかなかったんだ。
君が僕に、にっこり笑っておはようと言ったから。
その瞬間だった。
トクン、と胸が一際高く鳴って、心臓がグッと握られたように苦しくなった。
息が出来ない、とかそんな苦しさじゃなくって、とても言葉では表せない感覚だった。
些細なことだったかもしれない。
でもその些細なことが僕にとっては大きなきっかけだった。
トクン。また、トクン。
君と目が合った。
喋りかけられた。
名前を呼ばれた。
友達になった。
一緒に出かけた。
告白した。
付き合った。
君との思い出が増える度に君にときめいて。
胸が高鳴る感覚を教えてくれたのは、君だった。
るあ
【泣かないよ】
ごめんね。もう、泣かないよ。
きっと君を困らせちゃうよね。
もう、泣かないよ。泣かない、から。
そう言って、苦しげに笑う君はとても綺麗で、とても儚かった。
そんなこと、言わないで欲しかった。
でも、その言葉を紡がせてしまったのは僕のせいだから。
僕は君の涙を見ても、どうすることも出来ない。
謝るのは僕の方だよ。ごめん。
それすらも言えなくて。
言葉に出来なくて。
言いたいことは山のようにある。
口をパクパクと動かしても声は君に届かない。
ねぇ、神様。
最後に1つだけ、いや、二言くらい届けさせてください。
お願いしても良いですか?
"ごめんね。本当にありがとう。"
届いたかな。
もう、会うことは出来ない、君に。
君が生きている限り、君に幸せが訪れますように。
僕からの最後のお願い。
『僕なんか忘れて、強く生きてほしい。』
大好きだよ。忘れないで、、なんてね。
今日もまた、1つの魂が、空へと還りました。
魂は星となり、今も夜空に輝いています。
るあ
【過ぎ去った日々】
過ぎ去った日々は戻ってこない。
やり直ししたくとも出来るはずない。
愛してると呟いたあの時も、大好きだと言い返してくれたあの瞬間も。
全て過ぎた1日の中にある。
同じ日は、もう二度と来ない。
君の居る日はもう二度と。
過去に想いを寄せれば、色んな思いが湧いて出てくる。
愛していたんだよ。本当に。
ごめんね。僕が不甲斐ないせいで。
この言葉も、君に届くことはもう二度と無いんだろうな。
これからは、来るであろう未来に想いを寄せて生きていこうかな。
るあ