【君は今】
君は今、何処に居ますか。
君は今、元気ですか。
君は今、僕の事を、覚えていますか。
なんて。
きっと君は。
君は今、僕の事など、覚えていない。
毎日がキラキラと輝いて、愛を伝えあっていたあの頃には、もう戻れない。
いや、戻りたくないのかもしれない。
僕は、君に限りない愛を。
君は僕に何をくれただろうか。
あまりにも不平等だろう。
一方的な愛はいつか自分からも相手に求めるようになる。
僕だけが苦しむことになる。
愛されたかった。
もっと。ずっと。
大きな愛情が欲しかった。
なんてね。
君は今、しあわせですか?
僕は今、しあわせですか?
るあ
【0からの】
たとえ、0からだとしても。
何をしてでも好きにさせてみせる。
「おはよー。」
「おはようございます。」
「今日も来てくれたんですね。」
「もちろん。毎日来るって約束したから。」
「迷惑なら良いんですよ?」
「僕が来たいんですー。」
「それなら、、良いですけど。」
迷惑だなんて。
そんなわけ無いじゃないか。
僕はずっと。君を愛してる。
記憶喪失になっていたって、変わらない君なんだから。
君は忘れてしまっているだろう。
"0からでも、君を好きになるし、好きにさせる"
愛してるよ。永遠に。
るあ
【今日にさよなら】
今日の夕焼けは僕の心に沁みる。
今まで気にしないようにしていた事が次々と心に溢れてくる。
あの日、君に出会ったこと。
僕が君に一目惚れをしてしまったこと。
誰にも取られたくなくて、必死にアピールをしたこと。
それでも君は振り向いてくれなかったこと。
ご飯に誘って、一緒に遊園地へ出掛けて、誕生日なんかはプレゼントの渡し合いをして。
それなりに好かれていると、勘違いして。
なけなしの勇気をかき集めて、君に告白したこと。
呆気なく振られてしまったこと。
君に、"そんな目で見ないで欲しい"と、言われてしまったこと。
溢れて、溢れて、止まらないその記憶は、全て君関連だった。
ズンと重くなった足を引きずりながら家へと向かう。
どれだけ落ち込んでいても明日が来る事は解る。
昨日が戻らない事も知っている。
やり直したくても、やり直すことは出来ない。
どれだけ涙を流しても、君の気持ちは変わらない。
何かが変わるなんて、これっぽっちも思っていない。
でも、「もう一度」なんて。
そんな我が儘は言わないけれど。
吹く風に任せて。目を閉じて。
明日の僕がなんとかしてくれるだろう。
今日にさよならを告げて。
また、明日。
るあ
【10年後の私(僕)から届いた手紙】
『10年前の僕へ
元気に過ごしていますか?
こちらは凄く元気です。
10年前の今頃の僕と言ったらきっと悩んでいた頃でしょう。
君が好きな人、あの人。
今、僕の隣に居ます。
諦めずにアタックし続けなさい。
きっといつかは報われるから。
君が悩んでいる種の1つ、友達ですね。
一緒に騒いだり、はしゃぎまわる仲。
壊れてしまうと思っているでしょう?
今でも、さほど変わらず一緒に騒いだりしてますよ。
最近で言えば、一昨日一緒にお酒呑みましたよ。
皆、何も変わらないです。
大丈夫。
思い通りにならない事も勿論沢山あるけれど、そんなこと気にならない位、楽しいです。
楽しみにしてて。
早く大きくなれよ、僕。
10年後の僕より』
るあ
【バレンタイン】
今日は朝から町中が騒がしい。
なぜだろうか。
何かイベントがあったのか、とカレンダーに目を向ける。
"バレンタインデー"
あぁ、そうか。
今日はバレンタインだった。
すっかり頭から抜け落ちていた。
きっと貴方が居ないからだろうな。
貴方が居なくなってしまってから、何にも身が入らなくなってしまった。
甘いチョコのような生活が恋しいよ。
貴方との生活はとても楽しかったな。
「はやく、帰ってきて、」
このチョコの行く先が無いじゃないか。
貴方の為に作ったチョコ。
バレンタインを忘れていた、なんて寂しさを紛らわすための嘘で。
うっかりチョコを作った自分を忘れようとした。
綺麗にラッピングしたチョコの箱。
包装をビリビリと破き、箱を開く。
不格好なチョコレートが3つ、身を寄せあって並んでいる。
1つ詰まんで口へと入れる。
とても苦い、ビターな味がした。
るあ