寒くなってきたから、おかえりの飲み物が温かいのに落ち着いた頃、今日はミルクティーを飲みながら君が愚痴る。
「このメーカーのチョコレートそういえばあんまり冷たくなかった。焦がしキャラメルに目が眩んでた」
そうだね新作チョコレートの季節だから、コンビニ袋片手にニコニコして帰ってきたね。
「チョコレートはね猪口冷糖(諸説あり)だから舌の上でとろける時ひんやりしてなければならないのです」
つまりカカオバターの割合がどうとかいう話らしい。
僕チョコレート嫌いだからって言った時、滅多矢鱈にびっくりした顔されたの思い出したよ。
これから僕が貰うチョコレート全部君にあげるから、とミルクティーを飲みながら心に決めたのでした。
「紅茶の香り」
右と左の膝の上
出かける気配に敏感な君たちは
そろって可愛い顔をして
すぐに帰るよ
そしたらぎゅっと抱きしめて
右と左の手の平で
幸せだなって確かめる
「行かないで」
2024/10/21
本日は何かを始めたり、新しい物をおろすのにいい日です。
一粒万倍日です。
今日は新しい上着を着て出かけるつもりです。
買った事に満足して何年もしまい込んでいたのをひっぱりだして、この日の為に、一昨日洗って準備しておきました。
新しい衣類は洗える物なら一回洗ってから着用する派です。
早朝からうきうきしています。
「始まりはいつも」
握った手を中心にくるり180度。
お互いの位置を入れ替えて、やっとわかる事もあった。
もう一度くるり。
少しだけなにかが変わって、ほぼ元通りに戻ってこれた。
手を取り歩み寄るのが怖い時もあるけれど。
まるであさっての方向に離れていくのはもっと嫌。
2
カーテンレールの上で渋滞を作る猫みたいに
柔軟さと超バランスで強引に乗り越えられたら
なにも気にせずにくっついてぬくぬくと
「すれ違い」
日に透ける紅葉の赤が1番きれいに見えるとつぶやいて、動かなくなる君。
大通りのベンチはもうすぐしまわれる季節になった。
バスの中から街路樹に留まる寄生木を見つける目ざとさと、裸眼視力は0.1の極端な性能差を両立させて、分厚いレンズに隠した大きな瞳。
見たいものしか目に入らない。
目が合うたびに一回一回笑ってくれるのがたまらない。
こっちを思い出してくれるまで、おりこうさんで君を待つ。
「秋晴れ」