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1/19/2024, 2:56:34 PM

初めて出会ったのは、小学校の頃。

かくれんぼ。ああ、懐かしい。
1人だけ、置いてかれたっけ?
古びてすっかり色褪せた鳥居に、
夕方5時のチャイム。
泣き出しそうな、私の元へ君が来た。

——泣かないで。

まだ幼かった少し年上の神様。
人間でないことを知ったのは、
私の世界で常識への拒絶が始まったころ。
私を少し大人にしてしまうくらいの、月日が経った。


神様。背、伸びたね。それも、急に。

——そんなこと。

置いてく?神様も。
怖いんだけど。



——そんなことはないさ。
別れは人を、深くする。
良くも、悪くも。

そう言って、心の準備もさせてもらえない程、
貴方は急速な老いを迎えた。

そして、別れの時が訪れた。
——さようなら。



今日も、君に会いたくて。
私は、自らの閉ざされた日記を開く。

1/18/2024, 10:21:16 AM



私は神隠しにあった女。
桜が綺麗だった。
そして、神と出会う。

——ここには、誰もいないね。


もう、信仰してくれる人間も、減ってしまった。
私は天に帰えらねばならん。

そう思った矢先、出会えた最後の人間じゃ。

神として、最期のねがい、かなえたもう。


——誰もいないね。

寂しいのは苦手でのう。賑やかなのが、合ってる。


——じゃあ、賑やかな所へ、神様。
ここは、きっと寂しいから。
私も、寂しいから。



私の為に願ってくれたのか。ありがとう。さようなら。


閉ざされた日記  作者:木枯らし



私の気は枯れたまま。
行かないでと言えず、そのまま。
あの時、どんな気持ちだったのだろうか

分からないなりに、忘れないよう、日記に書いた。
閉ざされた日記の中に、閉ざされた心。


今は、どこの空で誰をみている?

1/18/2024, 9:13:09 AM

木が枯れてしまった。
私の木が。

私の水となる、あの人の存在や。言葉や。
枯れてしまった。
いつか、桜が咲く季節になっても私の気は枯れたまま。

私の木は枯れたままなのだ。




       




‘’木枯らし’’

高校三年生の春。
あの時の選択を今も悔いている。
あの人の背中を追わなかったこと。
見送ってしまったこと。

それはきっと、自分の中のプライド。

プライドは、時に凶器である。
プライドは、時に誇りでもあり、埃でもある。

その当時の私にとっては、誇り。
今の私にとっては、ただの埃。


人生は長い。
誰かを思いやるプライドにこそ真価は宿る。

あの時、追いかけてこそ自分。
頭を下げてこそ自分だと、青い私は気付かぬまま。
これはきっと、後悔というよりも、嫉妬。
あの時選択できた未来への。
自分への嫉妬だったや。そうやろ。

新しい未来に、あの人はいない。
ならせめて、私の中で枯れた木を。
私のプライドという名の埃を。

誰かが水をあげてくれるその日まで、私は木枯らし。