一月は行く、二月は逃げる、三月は去る。
ついこのあいだ初詣行ったのに。バレンタインのチョコ買ったのに。ひな祭りしたばっかりなのに。早いよねーっとカレンダーの前、パートのおばさまがたが悲鳴を上げている。
この言葉、使うのはもっぱら女の人という気がする(男は嘆く前に黙々と手を動かす……気がする)。
うちでも法事やなんかのたび祖母や叔母たちが口にしていた。祝儀も不祝儀も、親戚の集まりではとかく女手がいるものだ。
その横で父は「酒が飲める飲めるぞ、酒が飲めるぞ~」と歌って睨まれていた。
(過ぎ去った日々)
子どもの誕生日には「◯月は誕生日~で酒が飲めるぞ~」と替え歌を歌ってくれるのが嬉しかった思い出。
(バラクーダ「日本全国酒飲み音頭」より)
子どもってどっちが大事かって質問しがち。
「私とお兄ちゃんが同時に川の反対側で溺れてたらどうする?」
みたいなことを訊いて親を困らせたことある人、けっこういるんじゃなかろうか。
ちなみに私は「言わない」って言われた。
(お金より大事なもの)
遅刻遅刻~
毎日欠かさず遅れず書いてる人を見習いたい。
たまには嘘もまじえてみる。
(たまには)
普段あまりなつかない猫が、
私がお風呂に行っている間に
リビングの私の定位置で丸くなっていた。
火の消えたようなわが家、
君がいてくれることがわずかな救い。
育ててあげているつもりで
助けられていたんだね。
(たったひとつの希望)
鉄道ミステリーといえば、ポワロの「オリエント急行殺人事件」が思い浮かぶ。
もう十年も前だけど、夕方NHKでデヴィッド・スーシェ主演のテレビシリーズを放送していた。
小太りで偏屈で自信過剰の変わり者、なのにふしぎな愛嬌のあるベルギー人探偵に、今は亡き熊倉一雄さんの吹き替えがぴったりはまっていた。
以下あらすじ。
吹雪のなか立ち往生した豪華列車の客室で男が殺される。遺体には利き手の異なる十二の刺し傷。乗員乗客全員の完璧なアリバイ。ポワロは灰色の脳細胞をフル稼働させこの謎に挑む……
点と点だった乗客同士の意外なつながりが見え始めてからの怒濤の真相解明への流れは、何度見てもため息が出る。
そして残忍な殺人事件とは対象的に、人生で一度は乗ってみたくなるほど優美なオリエント急行の列車。ポワロにとっては苦い事件となっただろうけど、大好きな作品だ。
(列車に乗って)