君は今、なにをしていますか。
小さいころ、この町に引っ越してきた君。
すぐにみんなに馴染んで友達ができた君。
いつもリーダーシップがあった君。
わたしと学校がわかれた君。
あの時、わたしと偶然再会した君。
ごめん無視して。わかんなかったの。
変わってしまったから。君じゃなくて、わたしが。
わたしはあのころにはもう戻れない。
楽しかった昔には戻れない。
でも、あの時、やっと気付いて言った言葉。
届いていたかな。
「ごめん、待って」って。
なんでそんなこと言ったんだろう。
きっと寂しかったの。
恋愛感情じゃなくて。
尊敬とか、友情とかでもなくて。
あのころが好きだったの。
またみんなと遊びたかった。
みんなきっと全然変わっちゃってる。わたしも変わった。
もう、あのころの弱くて馬鹿なわたしじゃない。
社交辞令、つくり笑顔。お世辞、諦め。
いろんなこと知ったよ。
でもあのころのみんなに戻りたい。
だから、いつかまた会おう。
また会って遊ぼう。
まだわたしの中に残るあのころを思い出そう。
ねえ。
みんなは今、なにをしていますか。
小さな小さな命。
今日もどこかで生まれる。
それを誰かが大切に育てて、大きくなって。
悩んで迷って。挑戦して諦めて。
笑ったり泣いたりして。眠って。起き上がって。
誰に賞賛されることもなくても、毎日同じような小さな日々を生きて。
ずっと誰かに見つけられるのを待って、誰かを見つけて。
小さな想いを抱いて、また諦めて。
走って走って、ときには立ち止まって。
転んで。それでもなんとか歩き出して。
神を恨んで、悪魔に祈って、結局何もできなくて。
辛くて。
でも何かを、誰かを探して、いつか、夢とか希望だとか馬鹿みたいなきれいごとを叶えるために。
わたしたちは小さな人生を生きる。
あなたを愛してる。
いつかそんな言葉を言われたい。
辛いとき、悲しいとき、腹が立つとき、自分が嫌いになるとき。
少しだけ、誰かになぐさめてほしい。
直接じゃなくても、ちょっとだけでいいから。
誰かにしてほしいこと、ずっと待ってること。
まずはわたしから。小さな想いをあなたに。
はらはらと、枯葉が舞い落ちる。
それをわたしは眺める。なんとも言えない切ない感情が胸に溢れる。
この葉も、ちょっと前までは明るい緑色だったのに、すぐに老いて枯れてしまう。
もし葉に感情があったとしたら、この葉は幸せな人生を送れたのだろうか。
葉がついたばかりのころ、どんなに未来にわくわくしたことだろう。葉の色が濃くなってきたころ、どんなにがむしゃらに時間を楽しんだことだろう。葉が黄色に近づいてきたころ、どんなに残りの時に思いをはせたことだろう。そして、茶色くもろくなって、地面に落ちる寸前、この葉は何を思ったのだろう。
もし、わたしたちも木に生えた葉で、最後には枯れて落ちてしまうとしたら、わたしはどう過ごそうか。
他のどの葉より綺麗な色を目指す?他のどの葉より長く生え続けることを目指す?
タイムリミットは1年。長くも短くも感じられるこの時間、わたしはどう使う?
人間だって同じだ。わたしは残りの寿命をどう過ごすべきか。枯れてしまうまでの短い時をどうやって消費するか。
わたしは枯葉を踏まない。1年間、どんな生き方であったとしても、この葉はちゃんと生きたのだ。
その証をそっと踏み分けながら、わたしはすこしずつ、枯葉になっていく。
今日のわたしにさようなら。
わたしは昨日のわたしと今日のわたしは別人だと思っている。
昨日どれだけ機嫌が悪くても、今日はなんだか気分が明るかったり、昨日どれだけ先生に褒められても、今日は全然だったり。
同じ人間ではあるけど、昨日のわたしと今日のわたしでは絶対に何かが変わっている。
とても些細なことかもしれないし、大きな変化かもしれない。
例えば昨日、友達と喧嘩したら、今日の朝は昨日の朝より気持ちが暗い。例えば今日、発表を褒められたら、今日の夜は昨日の夜より心が晴れている。
暗い気持ちにその後光が差すかもしれないし、晴れた心にもすぐに雨が降るかもしれない。
それは予測のしようがないけど、確かに変わっていくのだ。
だからわたしは、できるだけ明日の自分を他人だと思うようにしている。
他人だから、今わたしがどれだけやる気があっても、明日はそうじゃないだろう。
他人だから、あんまりキツいことさせたらいくら自分でも憎まれるはず。
それは分かり合えないとかそういう意味じゃなくて、人であることを覚えておくということだ。
よく言われる「自分を大切にしなさい」って、こういうことかなと思う。
さて、どうせ明日のわたしは学校が嫌で落ち込んでいるだろうから、メッセージでも書いておくか。
頑張ってね、わたし。なんとかなるよ。
これからわたしは、今日のわたしにさようならをして、明日の知らないわたしになる。
おやすみなさい。