子供のままでいつまでも居たかったね。
君に向かって放った言葉は君の背中にぶつかってそのまま消えた。2人でくだらない話をして一緒にダラダラ帰って何も考えずに話すような子供の頃のままでずっと。
くだらない時間だった。くだらない時間がつづくだけだった。それでも幸せだったよ。
閉じた扉の前に君は居ない。もし、もしも初めからやり直せるならもう君に会いませんように。そうすればきっとずっと大人になっても子供でいたいなんて思わない。
優しくしないで。寂しくなるの、どれだけ優しくされてもどこも温まらなくて、何も治らなくて、それどころか悪化しちゃうの。優しく温められるほど自分が寂しくて空っぽで使えないことが分かっちゃうから、もうやめて。
たとえ間違えだったとしても、いいんだ。これで終わりなんだ。人間として人生を過ごして人情に触れて来たけれど最後まで分からなかった。火よりも36度5分の方が暖かい理由も、抱きしめられると涙が溢れそうになる理由も。
全てが上手くいくなんて夢見る心、全部が全部上手くいくなんていう夢見る心。
生きていることが上手くいっていないことの代表なのに、何故こんなにも夢を見れたんだろう。気がつけば薬が友達になっていた。
届かぬ想いは風に乗り宙に浮く。ゆるゆると風に吹かれ淡い花びらと共に舞う言葉を誰が愛そう。
届かぬ想いが唇を震わせ、目を熱くし、脳を刺激し、体温をあげる。
届かぬ想いは届かぬはずがなかった。ただ、届けることがなかっただけである。
届かぬ想いを囲う花びらは何を思って踊る。届けることのできなくなった想いを抱いて何処へ向かう。届ければ良かったという後悔が届くことはない。
心が波打ち、体をきしませる。上がる息と痛む喉。口いっぱいに広がる血の味。今届かぬ想いを君の墓に埋める。