誰よりも、ずっと貴方のことを愛している。誰よりも人に愛されずに誰よりも人を愛している人間になりたかったけれど、愛し方を間違えてしまった。愛しているつもりだったんだけど愛じゃなくて執着で貴方を縛っていた。愛されているの自己暗示が愛しているの土台になって泡になって消えていった。誰よりも、ずっと貴方を愛していたかった。
これからも、ずっと続いて行くのか。君のいない街で君のいない家で君のいない一日を過ごして君の食べない料理をつくる。
写真を見ても服を触ってもどこにも温かみはなくてずっと部屋に服のこすれる音だけがする。
君のいない日々、僕は気づいてしまったんだ。1人でも生きていける。だけど、1人では楽しくない。
それでいい。それでいいはずなんだ。周りの目も気にしないで、髪を短く切って、スカートを捨てて、スラックスの制服に脚をとおして、一人称を変えて。これで、幸せなんだ。離れる人も居たけれど、本当に仲のいい友達も出来た。何も考えずに話せる人も出来た。自由だった、はずなのに。
厳しい校則に縛られて周りの人からの評価がまた気になってきて、一言怒られただけなのにそれが何度も頭の中で駆け巡って、電話も足音も怖くなって。好きなことも何も出来なくなってただぼーっとスマホを眺めることしか出来なくなって。
また、自分が見えなくなってしまったの。だけど1度幸せだった自由な時間を知ってしまったから個性とか色々考えるようになってしまって。自分で自分を抱きしめて。大丈夫、大丈夫って慰めて泣いて、私は幸せだって。幸せだって言い聞かせて。これでいい。これでいいはずなんだ。それで大丈夫、それでいい。
大切なものを守ってたら周りが見えなくなって。それも無視して守ってたら自分が消えて、それも無視してたら大切なものが消えちゃった。
ううん、違う。守ってたんじゃない。逃げてたんだ。自分の逃げに守ってるって言い訳をして逃げて、逃げて。周りの人の言葉も何も聞こえない振りをして最終的にあなたを自分の手で離したんだ。
エイプリルフールに着いた嘘が本当になるだなんて考えもしていなかった、それに、本当になって欲しくなかった。
君が明日死ぬなんて言うから笑って流すしか無かった。本当に死ぬなら一緒に死ぬと言ったのに、抱きしめて泣いたのに。分かりづらい嘘をつかないでくれよ。
上から降ってくる君と目があってしまった私はきっと4月1日が来る度に思い出すのだ。君を助けられなかったことと、私が一緒に死ねなかったことを。