【イブの夜】
イブの夜と言われると、毎年この時期放送される明石家サンタを思い出す。というか、毎年楽しみに観てる。楽しみと言っていいものか悩みますが今夜も楽しみです。
【プレゼント】
今日で何回になるかわからない誕生日。
年下のあなたは何時だって私を年上扱いしない。
だからずっと一緒にいたいと思えた。
だけど。
「…別れましょう」
「は?」
「別れて欲しいの」
「…理由は」
「私もそんなに若くない」
事実、今年誕生日を迎えてもう少し三十歳後半。もうすぐ、四十だ。
彼は二十歳後半。まだまだ遊びたい年頃だろう。
いつまでも私が縛り付けておくことは出来ない。
なのに。
「それが理由?なら俺が別れる理由にはならないよ」
「だけど…」
「これ」
「え?」
「開けて」
「うん」
彼がテーブルに置いたのは、小さな正方形の箱に綺麗に包装されたものだ。
私は丁寧に包みを開いた。
中には蓋を開けるタイプの入れ物。
「開けて」
「…これ」
「うん」
中に入っていたのは光輝くダイヤモンドの指輪だった。
「結婚しよう」
「それは…」
「年齢のこと気にしてるならそんなの関係ない!俺はずっとお前と一緒に居たいよ。お前は?」
「そんなの私だって…」
嬉しさと動揺が入り交じり涙が止めどなく溢れた。
彼の手が私の背に回される。
「なら一緒に居ようよ。これからも二人で。あっ子供は沢山作ろうな!」
「…何よ、それ。…ありがとう」
【柚子の香り】
体凍えるこの季節は温かなお風呂に柚子を浮かべてみるのはいかがでしょうか。
きっと爽やかな香りがあなたを癒してくれますよ。
【大空】
あの空を自由に羽ばたいていくことが出来たならどんなに幸せなことなのだろう。
見上げても私に翼は生えてはこない。
それでもいつか羽ばたくことが出来たらそれはどんなに気持ちのいいものなのか。
【ベルの音】
Ring Ring Ring!Ring Ring Ring!
「さぁ、今夜も年に一度の大イベントだよ!」
「さぁ、仕事だ!仕事だ!」
年に一度。
僕達はあちこちの国から集まり、あちこちの国へと散っていく。
そう、僕達はサンタ。
今夜も夜が明け子供達が起きるまで急いでプレゼントを運び配らなければならない。
それはもう一分一秒も無駄には出来ない。
こっちからしたら地獄のような所業だ。
ただし、煙突や窓がなければ僕達は家には入れない。こんな世の中だ、窓の鍵なんてよっぽどでなければ空いてなんていないだろう。
それに僕達の姿は純粋にサンタを信じてくれなければ見えない。
だってそうだろう。自分の寝てるとこに大の男が現れたら…即通報されて牢獄行きだ。
さて、話が脱線しちゃったけど。
僕達は、朝目が覚めて。
枕元にあるプレゼントを見つけた時のあの喜びと驚きが入り交じった子供達の笑顔が大好きなんだ。
…本当だよ?
だから、今年も楽しみに待っててね!