【白い吐息】
寒い冬
見渡す限り雪景色
電車を待つ間
君が白い息を吐く
手は真っ赤に染まってた
手袋は?と聞けば
君は少し困った顔をして
学校と答えた
僕は呆れたフリをして手を差し出す
君は一瞬呆(ほう)けた顔をして
今度は顔を紅く染めた
ん。と再度手を伸ばす
君は慌てて大丈夫と手を振った
けど君のそれを捕まえて
半ば強引に自分のポケットに突っ込んだ
これでもう冷たくないだろ?そう言えば
君は恥ずかしそうに小さく頷いた
【消えない灯り】
夜の空一面に光るあの星ぼし
誰にも掴めない灯り
いつだって頭上を見れば
明るく私達を照らしてくれる
手を伸ばす
もしかしたら掴めるような気がして
そんなの有り得ないとわかっているのに
それでも消えない灯りがある
そう思うだけでなんだか
心に勇気が芽生える
私だけかな?
【きらめく街並み】
世界が色で溢れている
赤 緑 黄色 青
世界中の色が今ここに、密集しているかのよう
皆も何処か浮かれているみたい
今年は思ったより早く雪が降った気がする
寒さも増した
そんな中のクリスマス
どんなものになるのかな?
カップル 家族 独り
色々な事情 催しが違う
楽しみな人 辛い人
皆平等とはいかないだろうけど
それでもあなたに幸あらんことを
願わずにはいられない
【贈り物の中身】
朝目を覚ますと枕元には
真っ赤なリボンに包まれた小さな箱
ドキドキとわくわく
ふたつが鬩(せめ)ぎ合い
私はリボンを引っ張った
箱のフタを開ける
中には
キラキラと輝くシルバーリング
私はそっと指に嵌めた
手を掲げる
陽に当たって更にヒカリを増した
私嬉しさにそれを抱き締めた
【凍てつく星空】
全てを凍らせてしまえば
私は私が孤独だと気付かなくて済むと思った
家族 友達 恋人
私にはそれらとどう付き合えば良いのかわからない
皆が当たり前にしていることを
私は出来なかった
だから私は全てを凍らせた
そうすれば私は独り
何も変わらない
あの星ぼしも皆凍らせよう
私は独りで良い
孤独だと気付かせないで
何もなかったらそれが当たり前だと
思えるから