【カーテン】
朝起きると
リビングのカーテンが
わさわさ動いていた
私は
ああ、またか
と気にせず
台所でコーヒーの
準備をする
それからやっと
カーテンに近付き
そっとめくる
にゃー
可愛いあの子が
顔を出した
【青く深く】
まっさらに広がる砂浜
そこにあなたは倒れていた
どうして倒れていたのか
聞いても貴女は何も言ってはくれない
だけど海のように青い美しい瞳は
いつだってキラキラと輝いていた
目が離せなかった
貴女はいつだって純粋で無垢で
清らかな人
そう思わせてくれる
だが、そんな貴女を僕は裏切った
何故、そうなったのか
心に靄(もや)がかかったように真っ白になった
貴女が見えなくなった
それでも貴女はそんな僕でも見捨てず
僕を救ってくれた
愛している
あの海の青さより深い心で
ずっと永遠に
【夏の気配】
気配つーかもう
夏だよ!Σ(ノд<)
【どこにも行かないで】
置いて行かれる寂しさは
大人になった現在(いま)も
消えなくて
「もう無理だよ。別れよう」
「何で…?」
ずっと一緒に居てくれるって言ってたじゃん
なのにどうして今更そんなこと言うの?
こんなにもあなたを愛しているのに
「荷物は適当に捨てといて」
「待って…」
「じゃあ」
「行かないで…」
パタン
とドアが空しく閉まる音が静かになった部屋に響いた。
もう彼は私の傍に戻っては来ない。
その現実が私に襲いかかる。
「なんで、…」
いつもこうなっちゃうの?
どうして皆私を置いていくの?
誰に聞いてもその答えを教えてくれる人はいない。
皆都合の良い理由を見つけて
私の前から消えていく。
「なら、」
私は要らない。
何度傷つけたか分からない腕の紅い痕を
また上から新しい傷痕を付ける。
こんなことしてもあなたが戻ってくることはないのに。
それでも私は。
腕から流れる紅い涙を見つめながら
私はそっと目を閉じる。
もう戻らないあの幸せな日々。
誰も教えてはくれなかった。
明日が来ないことを願って
私は眠りに落ちていく。
【君の背中を追って】
君を追いかけて上京してきた
この街で
そんな簡単に君を見つけられる
筈はないと思っていた
その覚悟はあった
だけど
目の前に君の後ろ姿を見つけた
思わず駆け出し
後ろから抱き締めた
会いたかった
会いたかった
会いたかった
愛しい君
もう離したくはない
離れたくない
君が僕の傍に居てくれるだけて
僕は幸せになれるんだ
そう思わせてくれたのは
世界で出会った
君だけ
パンッ
「あんた誰よ!?いきなり抱きつくなんて
警察に付き出されたいわけ!」
これが現実だった