【こぼれたアイスクリーム】
夏のベンチ 手には
冷たいソフトクリームが
ふたつ
君は長い黒髪を揺らし
鼻唄を歌う
何でそんなことをするのか
意味が分からない
だけど
口にすることなんて許されない
僕の手に握られたままの
ふたつの
ソフトクリーム
この暑さだ
段々アイスが溶けてきていた
君はお構い無く
歌い続ける
もういい加減にしてくれ
そう思うのに
口に出せないのは
僕が君を好きだから
だからなんでも言うことを
聞いてしまうんだ
どこまで溶けるか
アイスの行く末を心配しつつ
早く君がこっちを向いて
くれることを願ってる
8/11/2025, 2:43:52 PM