【何でもないフリ】
何でもないふりなんてしないで。
私の気持ちを無視しないで。
それならいっそ、ズタズタに心を引き裂いてくれたら良かったのに。
ずるいよ。そこで困るなんて。
好きなの。先生がどうしようもなく好き。
【仲間】
私には仲間と呼べる人は正直いない。
昔はそう呼べる人も居た気はするけど、大人になるにつれてそれはひとりふたりと消えていった。
今ではもう友達の作り方さえわからない。
尖ることでしか生きられない。
どうしようもない自分が嫌になる。
【手を繋いで】
手を繋いで貴方と歩きたい。
だけど、今の私では貴方の側には居られないんだね。
いつか、叶えられたら良いな。
貴方が私を好きになってくれる日を願って。
今はただ、自分の手と手を重ね合わせ、夜空に輝くあの星ぼしに願いを込めよう。
【ありがとう、ごめんね】
愛情がないわけではない。
憎いわけでもない。
ただ、どう愛して良いのかわからない。
あなたが生まれてきてくれて、本当に嬉しかった。
日が経つにつれて膨らんでいくお腹。
その度、今まで感じたことのない感情、愛おしさが私の中で大きくなっていく。
そして、アナタが私の中から出てきた瞬間。
私は涙が止まらなくなった。悲しいわけではない。苦しいわけでもない。
ただただ、私の見てた世界がアナタが出てきたことで見方が変わったのだ。
どうしようもない感情。どうしようもない感覚。
どうしようもない感動。
とにかく生まれてきてくれてありがとう!
それなのに、どうして私は-
アナタを愛しているの。
それなのに、私の中にもうひとつの感情が生まれた。
アナタを見ているとどうしようもない自分の焦り苛立ちが大きくなる。
躾とこじつけ、私は必要以上にアナタを叱りつけた。
たまに、叩くことも増えた。
それでもアナタは何も言わず、泣くこともなく私を母と呼んでくれるのだ。
私の心は張り裂けそうになる。
アナタを愛しているの。
だけど、ごめんね。
私はアナタの母親にはなれそうにない。
それでも、アナタを愛しているのよ。
【部屋の片隅で】
部屋の片隅で膝を抱え泣いていた。
誰かに慰めて貰いたいわけでもなかった。
だけど、現実は何時だって私に厳しくのし掛かる。
それに堪えられるほど私は強くない。
逃げ出したくて仕方無い。
そんな時はあなたを思い出す。
私の唯一の心の拠り所。
あなたが居てくれたらきっと私は頑張れるよ。