【ありがとう、ごめんね】
愛情がないわけではない。
憎いわけでもない。
ただ、どう愛して良いのかわからない。
あなたが生まれてきてくれて、本当に嬉しかった。
日が経つにつれて膨らんでいくお腹。
その度、今まで感じたことのない感情、愛おしさが私の中で大きくなっていく。
そして、アナタが私の中から出てきた瞬間。
私は涙が止まらなくなった。悲しいわけではない。苦しいわけでもない。
ただただ、私の見てた世界がアナタが出てきたことで見方が変わったのだ。
どうしようもない感情。どうしようもない感覚。
どうしようもない感動。
とにかく生まれてきてくれてありがとう!
それなのに、どうして私は-
アナタを愛しているの。
それなのに、私の中にもうひとつの感情が生まれた。
アナタを見ているとどうしようもない自分の焦り苛立ちが大きくなる。
躾とこじつけ、私は必要以上にアナタを叱りつけた。
たまに、叩くことも増えた。
それでもアナタは何も言わず、泣くこともなく私を母と呼んでくれるのだ。
私の心は張り裂けそうになる。
アナタを愛しているの。
だけど、ごめんね。
私はアナタの母親にはなれそうにない。
それでも、アナタを愛しているのよ。
12/9/2024, 3:54:33 AM