9/26/2025, 11:30:41 AM
「コーヒーが冷めないうちに」
「そろそろ行きましょう。コーヒーが冷めてしまいますから」
言いながら、彼女はコップのコーヒーを一気に飲み干し、鞄を持ち上げた。
慌てて僕もカップを口にし、熱々のコーヒーをなんとか飲み干す。
僕の質問によほど答えたくないらしい。
なにせ彼女はアイスコーヒーを頼んでいたのだから。
8/31/2023, 12:26:04 PM
「不完全な僕」
「お嬢様、お茶が入りました」
猫舌な私でも飲みやすく、それでいてぬるいわけでもなく適度に温かい紅茶。何年も私に仕えてきた彼はいつも完璧に仕事をこなす。
彼の完璧なところは仕事だけではない。身嗜みはもちろん、一つ一つの仕草や言葉遣い、そして周囲への気遣いに至るまで全て美しい。
さらにその容姿に至るまで欠けることのない、神が私に遣わせた最高の従者だ。
そんな彼にも、一つだけ似合わないものがある。
「貴方もいかがかしら?」
「ぼ、僕は大丈夫です」
あれほどの美しい顔と声には似つかわしく、彼は自らを僕と呼ぶ。
これでこそ愛おしい、私の不完全な僕(しもべ)だ。
8/29/2023, 1:38:10 PM
『言葉はいらない、ただ…』
「試合の時、脅迫されてた私はルール違反をした…」
「…」
「そのまま私は勝ってしまった…」
「…」
「本当にごめんなさい…」
「…」
「いらない」
「…え?」
「そんな言葉はいらない。ただ…」
「ただ…?」
「今すぐ私と勝負しなさい!正真正銘、正々堂々正面から!」
「…!うん!」
8/20/2023, 11:58:37 AM
さよならを言う前に
本当に、貴女を最期まで理解できなかった。
どれだけあしらっても
どれだけ突っぱねても
どれだけひどいことを言っても
貴女は何故か、私から離れなかった。
どうしてそんな風に笑っていられるの。
さよならを言う前にそれだけは教えて欲しかった。
8/4/2023, 2:35:37 PM
つまらないことでもちゃんと話してよ