はじまりはいつも
・・・ほんまに、大好きなんよな。
他のことが全く目に入らんし、24時間、四六時中思っとるんよね、、、。
、、、今回は、マジ長かった。今度こそ、このままボッチで、今生終了を想像したりしてた。 過去に何度か同じような時間を過ごしてきたけと、とはいえ、ここまで、一人過ごすことが苦しくはなかったと思う。
年を追うごとに、ボッチ特有の孤独感やこの世の全てからの、疎外感みたいなやつに、飲み込まれそうになっている。
ほぼ毎日、必ず一回は思ってた・・・おいおい、オレ、今年、51才、、、って、、、信長時代なら、オレ、天寿全うしちゃって、残りの人生、ロスタイム入っちやってるし、、これは、マジで、、笑えん。
出勤前のシャワーを終えて、毎回目が合う鏡の中のオレ様、、。重ねた年齢とは見事なまでに反比例している、社会的地位と個人資産に加え、加齢が容姿に間違ったスパイスを加え、年齢を重ね、自分の足でしっかりと人生を歩んできた者にしか、醸し出せないであろう、大人の色気、、、、、なんてものは一切見当たらない、ただのオッサンA、、、。
・・・ちょいちょい?・・・
あれ?・・・どうした?おい?・・・コノヒトって、、、マサカ、オレ様か?、、、。
若き日に、唯一ハッキリとしたビジョンで、想像できた将来の自分。
あの日のオレ様よ、、、ホント、こめん。、、、もし違う次元で、明日の事すら考えれない、その日を本能のまま過ごしている、毎日リア充のオレ様よ、、、凄い忠告するよ?、、いぃ?、、、あのさ、、お前はバカか?人生、後からは出来ない事の方が多いのわかってるよな?
ただめんどくせーから、後回しって、後回しにしても後からやんねーだろうがオレ様は!! もう今すぐ現実じゃなく未来を見ろ!今すぐに!
一つ未来のオレ様について、教えてやる、、心配しなくていい、、、、オレ様、ハゲてない、安心しろ。、、フサフサだ。それだけだ。未来予想図の中でオレ様の希望どうりになったことは、、、。ただし、わかってるよな?、、黒じゃなくて、白だぞ?白!、、ただハゲてないだけ。
見事なまでに自分が最も嫌悪していた、オッサンになってしまった。
、、、だから余計、諦めてた。 ただただ見つめて、白昼夢の中に入り浸って、、、。
オレのことが、大好きでたまらない、奇特な君との、特別なことなんて何もない、ただただ、一緒にすごしている、平凡な日々を。
二人、”おはよう“、、、とか、、、、”おやすみ“とか。
ああ、、、オレやっぱり、この人好きなんじゃわ。いやー、参った。今回は、ホントに成就出来ない事に一遍の曇りもなく、自信がある、、、。
完璧なウソで、スゲー奴の真似して、作戦練りまくって、運命とか、偶然とか、奇跡とか、、、演出しまくったとしても、、、無理、、かな?やっぱり、、、。あのさー!!何度も何度も言ってるよな?オレ様よ?、、、20才よっ?ハタチじゃねーよ?オレ様とあの人の年齢差、ニジュッサイ! わかる? あのさーオレ様?オレ様って遥か昔に確か、結婚してたよね?、、そう!今考えても、なんにも考えてない、オレ様らしい、、できちゃった婚、、、。ほとんど、一緒に暮らしてないけど、唯一のあなたの娘って特別な思いあるよね?
はい、そう、あなたの大切な特別な思いの存在、み○ちゃん。父親らしいことなんか全くしてないくせに、父親でいさせてほしいと思っている、、、その娘が、ある日オレ様に、二十歳年上のオッサンをだよ?紹介しますってだよ?連れて来た日にはだよ?
想像してみて、、妄想してみて、、、はい!おかえり、、大丈夫よー現実だよー!さっきのは悪い夢だよーって、、現実に帰ってきても、
考えただけで恐ろしいでしょ?
あまりにも希望が、持てなさすぎて、こんなに好きでも、こんなに好きな時の辛さ感じてないんよ、、、(笑)
なんだかな、、、きっとそんなんが、寂しいんかな?、、感情の起伏をコントロールできてしまっちゃって、人を好きになるっていう、何よりも生きる力みたいな、オレ様は今、生きとるぞーっ!カワイイやろー?オレ様の彼女様!www、、、。みたいな、、ことを諦めれるようになってる、オレ様のことが、、、。
一度、とことん、どうすることもできない、とこまで落ちて、毎日毎日、諦めるためだけに、あの人のことを思って、ついには感情さえ感じないようにして、ホントに、何一つ、してなくて、何一つ伝えていなくて、誰一人、こんな思いしとったオレ様を、知らないまま、“昔好きだった人“ってカテゴリーにしまって、、、
んん~~、理解できるけど、やっぱり嫌じゃ、納得いかんわ!
ちゃんと、希望的可能性ゼロにしとかな、、諦めきれん。自分で、可能性ゼロにしてしまえば、終わらせれる。
自分じゃどうしようもないこと、自分の力がおよばない、神の領域なんで、、、ってくらいの事と感じて、楽勝で諦めれる自信が、、、ある。たぶん。
よし、、!決めた。 告って、二度と恋なんかできない身体に、オレ様は、進化しよう。、、そうしよう!
、、、はじまりはいつも、ほんと、わからないまま、いきなりやってくる。
、、、そっかぁ、はじまりはいつもこんなだったよな、、、今まで毎回。
ただ、、これで、もう、はじまりは、い·つ·も、、の、“いつも”は、終わった気がする。
、、今、オレ様が運転する助手席で、、、
なーなー?絶対、しんどいやろ?、、その体勢、、、って、何度も声に出して尋ねてるけど、一切動じることなく、その不思議な体勢のまま、この世で、今までで、これ以上なんて絶対にない、絶世の最高の女が、安心しきって、、笑みを含んで、きっと女神様って、こんなふうだろう、、、な。間違いない。
幸せな寝顔で、スースーと寝息を立てている。
、、、さぁて、我が家までもう少し、、、がんばろっ。
、、、はじまりを告げた、この寝顔の、誰よりも一番近くにいれることの、、、言葉で、”幸せ“っていうものを、実感しているオレ様が、ようやく、この年まで、はじまれば、どうせいつもって、思い込んでいた、、あの日のオレ様から、幸せってこういうことなんかな?って、ボンヤリ輪郭が見え始めた、はじまりから続いて、ようやく見えてきた、あのゴールへ、全力疾走一択のオレ様へ、、
はじまりは、いつか、、の、バトンがつながった。
なりすけ
すれ違い
「あのさ、今でも、きっとこれからもRKさんが大好きで大好きで、大好き以外に変わる事なんてないから、、、少しでも、嫌なこと、悲しむこと絶対にしたくない。だから今も自分の中で決めた、RKさんへのルールと、自分が我慢できる自分の気持ちは、間違いじゃない、、、って、そう、ずっと思っている。」
「あのさ、今までも、きっとこれこらも、一緒にいて、ずっとすれ違ってばっかなんだろうね、、、私達、、。
いっつも優しいし、私のことばっかり気にしてくれるし、、あぁ、私のこと大切にしてくれてるなーとか、本当に好きなんだろうなーとか、好きな人の自分への気持ちが伝わってくるのってさ、二人の気持ちとか、二人だけが理解できるような、今まで二人で過ごしてきた時間とか、目に見えない何か、幸せなもので、つながっているような、、、、あぁ!ね、これが幸せか!とかって、一人で思い出し笑いとかして、周りにドン引かれても、全然平気で、のろけれたりして、、。
でもね、うちらは、二人で居る間中ずっと、二人で、すれ違って過ごしてると思うんだ、、。
つきあいだした最初は、お互いに相手を優先して、相手の気持ちばっか
なって、同調して、同じ気持ちで、同じ時空の中ですごしている、二人だけの時間を、どんな手を使っても、壊したくなかったし失いたくなかった。
悲しい事も楽しい事も、二人で落ち込んで二人で笑って、どんなときでも相手の気持ちを考えて、優先して、同調しで、絶対に嫌われないように演じれる自分に、なんの抵抗もなかった。相手に合わせてコロコロ変わる自分の気持ちを、このまま、疑う事なく受け入れさえすれば、これからも二人は、一緒にいれて、二人がこの先、すれ違うことなんて、絶対にないし、、そもそも、全く考えたことすらなかった。
なんでも大事にしすぎて、壊れないように、失わないように、怖がって、二人の大事な大事な、絆みたいな、、なんかすごく大事な、機会?チャンス?みたいなのから離れていってる気がする。ケンカとか、意見の違いとか、自分のプライドとか、自分の、そういうの、好きな人に理解してもらえるように一生懸命になることとか、間違っても、そういう自分をころして、抑えて、他人の気持ちに同調するようなことなんかじゃないと思うんよ、、。
すれ違いってさ、、、
互いが触れ合うほど近くを、それぞれ反対方向に通りすぎること。
時間や位置などがずれて、会えるはずが会えないこと。
議論などで論点が噛み合わないこと。
って意味があってね、どうすれば好きな人どうしが、こんなふうにならないですむか考えてみたらね、すっごい簡単で単純で、当たり前のことで、でもこれってすごく大事なんじゃない、、って、今更ながら再認識したんよ、だから、、
“私はあなたが好き”
だからあなたの気持ちが知りたい。
“私はあなたが好き”
だから私の気持ちをおしえたい。
時には、二人の気持ちが、、、あなたと、私が、例えば好きなものとか違っても それが私の好きな人の気持ちなら、尊重するし、理解できる、、と思う。ってか、そうしたい、、!!
これからも、良い感じですれ違って、一緒に乗り越えていこうね‼
私はあなたとなら、どんなにすれ違っても、絶対に離れたりしないから、
ね、、大丈夫。」
なりすけ
距離
メガネ・・・やっぱり、そこにあったか。
深夜1時過ぎ、唯一LINEの友だちに載ったままになっていた元同僚からの返信を眺めながらつぶやく。
そして、2つのそれぞれ真逆に向いた気持ちが同時に沸き起こる。
ないならないで、日常生活に困る程ではないが、置き忘れているのが前の職場、、、って、、、気持ちが落ちる。
・・・取りに行かなきゃダメだよな、やっぱり。
正直、数ヶ月前に面接の時あれだけやる気と仕事への情熱を語ったにも関わらず、試用期間の3ヶ月間だけ在職して、使えないダメな見本のような辞め方をした事を、今だ引きずっている。、、、今更どの面下げて、、、カッコ悪すぎる、、、。
・・・これが、ネがディブな嘘偽りない気持ち。
取りに行く、、、正当で何一つ不自然さや不純な動機を感じさせないで、会いにいける。、、、差し入れとか、持っていって、、、想像しただけで、気持ちが上がる。
・・・タイミング、絶対はずせん。会社に居る時間、、、お昼か?
そんなことを、考える時間が楽しくてしょうがない、、、。
正直、あの人がいたから、試用期間の3ヶ月間、出勤することができたようなものだった。一目惚れという感情が人に及ぼす影響に、今更ながら感心する。、、さぁ、なんて言って誘う?、、、どんな理由があれば会ってくれる?
・・・これも、ポジティブな嘘偽りない気持ち。
それぞれの気持ちが、日に日に、お互い真逆の方向へ大きく広がっていく。どっちも、自分の気持ちに変わりはない。 それぞれの気持ちが、真逆
に引っ張り合うから、一歩も動くことが出来ない。
・・・前の職場まで、車で10分。
この距離が、自分にとって遠いのか近いのかは、未だ動けないままの自分にはわからない。
きっと、あの人との距離が遠ければ遠いほど、近ければ近いほど、気持ちは大きく揺れ動く。
きっと、距離が気持ちの方向や大きさを支配している。
だったら、自分が感じたい方向へ、自分が行きたい場所へ、自分で動けば、その距離を好きなように自分でつくっていくことが出来る、、、どんな距離でも。
すげぇ、・・・思うがままじゃん。
ナリスケ
声が枯れるまで
『ちゃんと言葉にしてよ、、、』
・・・はぁ、またはじまった。最近何か心配させるようなことしたかな?
考えても・・・何もない。
人からみれば、当たり前すぎて怒られるかもしれないが、付き合うようになってから今日までの4年半、全く浮気などしていないし、この人以外に興味すら無い。正直、この人以外なんて考えられない。むしろ、好きとか愛してるとかの感情が、態度に出まくってるのを抑えてるくらいだ。
・・・ん~~、意図が見えん・・・
とりあえずは、しらじらくボケた返事を返す。
『・・・なにを?』
『好きとか嫌いとか、、、愛してるなら愛してるとか、、、!』
照れて、困ったとこ見たくてからかってるなら、このトーンはない・・・。真面目にこんな事を言われると、逆にこっちが不安になる。逆に同じ質問をしたくなる。
『そんなの・・・、言わなくても伝わってるでしょ、こっちは言葉じゃなくても、ちゃんと伝わってるよ。』
『いーや、伝わらん!ちゃんと言ってくれないとわからん!』
・・・マジ?・・・で?伝わらん?・・・って?意識してすごしているわけではないけど、好きっていう気持ちはいろんな形になって、2人の日常にあふれている。・・・うそをつけばすぐにバレるし、思ってる事が態度や表情にすぐにでてしまう。当然、この思いや感情なんかは、きっと・・・、
・・・伝わってると、全く疑いなく思っている、、、んだけども・・・。えっ?・・・伝わってないです?
『あのね、ココロから信用している人が、言葉にして伝えてくれることって、何よりも確信できて、小さな不安も大きな不安も、一瞬で吹き飛ばしてくれるの。 だからといって今何か不安があって、、、とかじゃないから安心してね。 もちろん一緒にいて、大切に思ってくれてるんだろうなーって、しょっちゅう思ってる。時々うっとうしいくらい(笑)。あっ、悪い意味に受け取らないでね。 でも、、可能性だけで言えば、これって自分が都合よく思ってるだけで、本当は違う可能性だってあるでしょ?
ワタシは・・・そんなのいらない。
好きとか愛してるとかの気持ちは、完璧な形で、絶対なものしかいらない。
気持ちっていう形のないものを、完璧な形で、絶対なものに変換して伝える事ができるのは、お互いが100の信用と信頼で一緒にいる人にだけだと思う。
ワタシは、あなたが言ってくれる言葉以上に信用できるものなんて、今のところ、この世に存在していない。
ワタシは、いつでもどこでも、毎日でもこの先ずっとでも、ちゃんとあなたに聞こえるように、ちゃんとあなたに思いが届くように、小さな声でも大きな声でも、この声が枯れるまででも枯れてしまってでも、、、あなたにちゃんと言える・・・愛してるって。』
・・・そうだよな。
この先、一緒に年月を重ねて、阿吽の呼吸ってのにも憧れるけど、年月を重ねて今よりもっと、愛してるって、ちゃんと言葉で言うほうが、大切なことのように思えてきた。
今はまだ、言うたびにどうしても、耳が赤くなる生理現象を、可及的速やかに克服することに一生懸命だ。
ナリスケ
すれ違い
・・・『でさ、ところでまだ定職、決まってないよね?』
「もう少し、ゆっくりしようかと思ってます。」
・・・『私の知り合いが、ちょうど人を紹介して欲しいって連絡あってね、、、、もうそろそろ仕事してみないかなと思って、、、。私が今、紹介出来るような人他にいないし、とりあえず試用期間だけでも、いってみなさい。いい?いつからいける?先方に連絡入れとくから。』
ハイハイ、どうせこっちの意思は関係なく強制ですよね・・・この恩師は何かと気にかけてくれる、この世で絶対に頭が上がらない人の一人だ。
ただ、今までも、きっとこれから先も、必ず僕にとって有益な方向を示してくれる。
「んー、じゃあ来週の月曜日からなら、、、」
・・・『わかった、細かいことはまたLINEしとくね。ちゃんと頑張るんよ!じゃあね。』
「さすがに早すぎたかな、、、少し時間つぶして行くか、、。」
初日指示された出勤時間30分前、駐車場の一番端に止め、icosを何度も口に運び、緊張と不安をごまかしていた。
動画チャンネルに気を取られて、全然気がつかなかった。真横に真っ黒のSUVが止まっている。メガネをかけた小さな横顔が視界に入った。
・・・めっちゃ、カッコいいなこの人・・・モテるんだろーな、ん?、いや、・・・女じゃね?マジかっ!カッコいいじゃねーな、なんて言えば、、、やっぱ、美人ってことよな、カッコいいということは・・・。
いつものように今日の仕事の割り振りや注意事項を、端的に的確に伝えている。ショートカットとメガネがこんなにも似合う、カッコいい人、、、、間違いなく、好きになってしまっている。この人のこと。
今日までの試用期間3ヶ月、ただこの人に会えるからここに通っていたようなものだ。正直、仕事の相性はそれほどよくなかった。きっと仕事に対しての、そういう感情は、勤務態度や言動にでていたのだろう。1週間ほど前、社長からオブラートに包みまくった遠まわしな退社勧告を告げられた。
・・・「じゃあ、来週の水曜日、今月の末までで、、お世話になりました。」
3ヶ月、人生の無駄遣いしてしまったかな・・・今日で、最後か、、、もう会えなくなるな、、、答えのない自問を続け、この3ヶ月を振り返ってみる。満足も落胆もしてない。唯一の特別な思いの方も、何にも始まってないし、一方的な妄想以外に、あの人と共有できるものは何もない、、、。
ここ数年は全く恋愛とか、縁のない生活で、正直やや諦めも入っている。
・・・今まで通り、何事もなかった感じで帰ろう。あーあ、すぐに忘れられるかなー、、、。
いつものように、夕方の5時少し過ぎにタイムカードを押し、こちらのことなど気に留めていない様子で、彼氏の話を楽しそうにしている元同僚たちの横を、小声で「お疲れさまでした。」と言い、小さく会釈をして駐車場に向かった。
・・・ウソだろ?!
「今日まで、お疲れさまでした。あと、ありがとうございました。短い間でしたが、居てくれた間は本当に助かりました。残念ですけど、これからも、元気で頑張って下さい。、、、、じゃあ、、、。」
「あ、あの、こちらこそありがとございました。あなたが居てくれたおかげで毎日目の保養ができました。」
、、、終わった。
、、、何言ってんだ。
、、、バカか、お前は。
、、、次とか、一瞬で消えたな。
何度目かの片思いが、自ら終わりを告げようとした。
こっちの道から帰ろう。
確かこっち方面に帰ってたはずだ。もう一度あの人に会えたら・・・気づいてくれたら・・・何か始まるかもしれない。具体的には全然確信も無いけど、冷静に考えて何一つ始まりはしないし、どうかすれば、すれ違いざま、こっちに気づいてくれることすら無いと思う・・・けど。
最後に声を聞いた、退職日から3ヶ月、帰宅時間が少しでもかぶっている日は、必ずこっちの道を通って帰っている。
・・・縁がないんだろうな。やっぱり。・・・そんなもんだよな。いつものことだよ。
・・・学生だった頃、初めての片思いが終わった。あれから何度、片思いを終わらしてきただう。
あの日の放課後とよく似た夕暮れに、全力でプロポーズした夜、嬉しさと、緊張がまざってなかなか眠れない中で聞いたカミングアウト。
、、、初めて知った。
あの駐車場から、2人同時に気持ちが動き出していたことを。
思いをあきらめかけていた、あの3ヶ月、会える確証なんて全く無いのに、遠回りして、黒のSUVがこちらの帰宅する道の方向を選んでたことを。
・・・会えなかったわけだ。
・・・思いっきり、すれ違いじゃん。
すれ違った時間の長さが、なんだかすごく大切なものに思えた。
ナリスケ