私のそばにはいつも君がいるってのが当たり前だったから
こんなことがあるなんて思いもしなかった。
『俺彼女できたんだよねー!!』
って嬉しそうに笑って報告してきた君に私は
「よかったじゃん!」
これが精一杯だった。
むしろこれ言えただけでもすごいわ。
『なんだよそれだけかよーどんなやつとかきかねぇの?笑』
なんだよこいつ、、私の気も知らないで、
大体ずっと一緒にいたじゃんか、、、
なんで私じゃ、、
そういう考えがいけないのか、、
ふぅ、、告っちゃいないけど私の恋終わった。
「どんな子?」
『そんな聞いてよって言われたから言った感。な、どんな子?じゃねーよーもー』
「いや、だって聞いて欲しいんでしょ?」
『まぁー笑
なんか身長ちーさくてかわいい。優しいし!』
「ふーん?笑こんな奴のどこがいいんだかー」
『なんだよ羨ましいのかよー笑!お前も早く彼氏できるといいなっ笑!!』
「早く彼女のところ行ったら?もう帰るんでしょ?」
『おう!今日はこの後放課後デートなんだぜ、ま、帰るだけなんだけど笑じゃなっ』
去ってく後ろ姿を見ながらさっきまでの会話を振り返る。
“お前も早く彼氏できるといいなっ!″
「できねーよ ばーか」
誰にも聞こえないくらい小さな声で私は言った。
夜のこの街の明かり好きだな。
少し離れた公園の丘の上から見るこの景色が好きだ。
なんか落ち込んだりする日は見にきたりする。
「晴れの日は本当最高、、」
失恋、、、
今日は会社の先輩に想いを伝えたけど
フラれてしまった。
「まぁしょうがない」
先輩には好きな人がいた。
、、、わかってた。
でも伝えたかったのだ。
幸い部署が違うから、そんな気まずくは、ならない。
「はぁ、、」
まぁ大丈夫。今日だけ、この感じで夜景も見て浸るけど、
明日にはまた元に戻って、私頑張る。
プシュっ
ごくごくごく
「かーーーーっ!」
「お疲れ私!!頑張れ私!」
大丈夫、
大丈夫。
今日は七夕。
天気もいい。
雲もない。
織姫と彦星会えるかな。
年に一回。
好きな人に会えるの一回なんて、、
会えない間寂しいだろうなぁ。
『織姫と彦星はさ、年に一回しか会えない今日、この日すごく大切だろうね』
「え、うん、そうだと思う」
私が考えていたことを急に話してきたからびっくりした。
『一回だけなんてさ。
もう少し会えたらいいのにね笑』
「うん、絶対寂しいよ。私無理だよー好きな人と年に一回しか会えないなんて」
『あはは笑まぁそうだね笑僕も無理だな君に会えないなんて笑』
『でもさ、
会えない間ずっと、ずっとお互いがお互いのこと想って待ってるんだよ。この日のために。
それってすごいことだよね。
2人の愛最強すぎない?
ずっと想ってるのってそう簡単じゃないよね。
2人は信じ合っていてすごく強い。』
「確かに、、そうかも。すごい、、」
『僕たちはこうして会えるけど
2人のようにずっと強く想える関係でいられたらいいなと思うよ。』
「、、、照、ありがとう。」
『さ、もうこんな時間出かけよう織姫笑笑』
「笑 うん、彦星笑笑、、っ、、」
僕たちは付き合いが長い。
友達の時から今までずっと仲良しだ。
もちろんケンカもするけど。そんなにないし。
あちこち遊びに行って遅くなった日は親に怒られたりさぁ。テスト期間中勉強どころじゃなくなったりさぁ笑
友達期間が長い。僕はずっと忘れられない出来事がある。
君が初めて泣いた日だ。
いや僕が泣かせてしまったんだ。
あの日から僕は君を泣かせないと決めたんだ。
——-
『好きだよ』
「え⁈なにどしたの急にやめてよ!照」
『こんなに1人の人とこうして長くいられるのはなかなかないと思うし、君だからなんだろうなって。
いつもありがとう。』
「、、や、やめてよ。、、」
『あ、泣いちゃった、ごめん笑』僕は彼女を抱きしめる。
「、、、私だって、す、すきだよ。、これからも、よろしくお願いします照。』
『ははっ。うん、もちろん!こちらこそよろしくお願いします!』
ぎゅーっと抱きしめる力がお互いに強くなる。
強く、
『いだだだっ!笑笑ちょっと!笑強く抱きすぎ!』
「離さないんだからっ笑」
あははっと君が笑えば僕は幸せ。
「綺麗だね」
『そうだね』
ここは田舎だから星がよく見える。
僕と彼女はそんな田舎で2人で暮らしている。
2人とも都会よりもこういう静かな暮らしに憧れて
僕の仕事の関係でこっちにくることになった時に彼女も一緒に来たいといってそれで流れで同棲が決まり、今こうして夏の空を眺めている。
「冬はさぁ、もっと綺麗なんだろうね」
『かなぁ、たしかになっでこれだもんね、きっと綺麗だね』
えんがわで2人で並んで麦茶を飲みながら上を向く。
最高だなぁ。
『ありがとうね、僕のそばにいてくれて』
「なにー?照れるじゃん笑」
もーって肩に寄りかかってくる。
「一緒にいたいもん」
ふふって笑った君の顔が本当にきれいで可愛くて。
手を握って
僕たちはもう一度上を向いて星を眺めた。