「綺麗だね」
『そうだね』
ここは田舎だから星がよく見える。
僕と彼女はそんな田舎で2人で暮らしている。
2人とも都会よりもこういう静かな暮らしに憧れて
僕の仕事の関係でこっちにくることになった時に彼女も一緒に来たいといってそれで流れで同棲が決まり、今こうして夏の空を眺めている。
「冬はさぁ、もっと綺麗なんだろうね」
『かなぁ、たしかになっでこれだもんね、きっと綺麗だね』
えんがわで2人で並んで麦茶を飲みながら上を向く。
最高だなぁ。
『ありがとうね、僕のそばにいてくれて』
「なにー?照れるじゃん笑」
もーって肩に寄りかかってくる。
「一緒にいたいもん」
ふふって笑った君の顔が本当にきれいで可愛くて。
手を握って
僕たちはもう一度上を向いて星を眺めた。
神様だけが知ってる。
あの日僕が約束の場所に行ったこと。
そして神様だけが知ってる。
君があの日約束の場所に来たこと。
お互いにすれ違ってしまった。
そういう運命なんだ。
僕たちは。
会えなかったのには意味があったんだ。
そう、、思いたいのに、、諦められないのは
君を本当に愛しているから。
その日以降会いたくて毎日その場所に行くも会えなくて、
やっぱ、、もう僕のことは、、
今日で最後にしよう。
そして来てみればやはりいない。
そりゃそうだ。
しょうがない。
『ふぅ、、』
帰るか。
「、、会えた、、。」
『え⁈』
君だ。君じゃないか、、、。
「会いたかった、、。」
君は泣いている。
僕も溢れてしまった。
『、、僕も会いたかった。君に。ずっと。』
僕たちは抱きしめあった。
『今日会えなかったら最後にしようと思ってた。』
「え、ずっと来てくれてたの?」
『うん、あの日会えなくて、その日以降ずっと来てたんだ。』
「私もあの日行った、、よ?」
『、、なんで会えなかったんだろう?
でも、、こうして会えた。
嬉しい。』
「私も。」
「もう、離さないで」
神様ありがとう。
『約束する。』
この道の先には何が待っているだろう。
全然わからない。
わからないことだらけ。
毎日いやんなっちゃうな。
だけど、
君がいる。
僕には君がいるから。
どんな困難も乗り越えてこれた。
この先のわからないことも
君が隣にいてくれたら、
一緒にこの道を歩んでくれれば、
僕はそれだけで良いんだ。
こうして手を繋いで
笑い合おう。
僕はこの手を離さぬよう、
君を幸せにする。
一歩、踏み出す。
目覚めてカーテンを開けると
光が差し込む。
「朝だ」
眠、、、
ちら
君が寝ている。
昨日を思い出してちょっと恥ずかしい。
でも幸せだ、、、、
顔がニヤける。
『んー、わ、まぶしっ』
寝返りをして振り返ってきた君が言う。
「ぁ、ごめん笑」
『んーん、もう朝なんだね。』
「うん、」
『おはよう』
「おはよう!」
『、、、なんか、やばい照れるね。笑
嬉しいけど』
って抱きついてきた。
もう少しだけ
2人で寝よう。
この、あともう少し
ガラス1枚を越えられない
君に届くには僕はどうしたら良い。
見えるのに
聞こえるのに
君に触れられない
想いは届かない。
なのに今日も君は僕に笑ってくれる。
優しくしてくれる。
あたたかいのに切なくて悲しくてつめたい。
『こんなにも好きなのに、、、。』
言葉にした好きは
君には届かない。
声に出してみたら
涙がこぼれた。
君がそばで笑っていてくれるうちはこの気持ちを抱えていく。
窓から差し込んだ
光がまぶしい。
少しだけ僕を応援するかのようにそれは本当に明るくてちょっとだけもうちょっとだけ頑張ろうと思えた。
限界が来たら想いを伝えれば良い。
そんなんでいい。