「、、ぇ?」
『だから、私余命1年だって。
だから別れてほしい。』
「、、、」
僕は言葉にできなかった。
今日プロポーズしようと、、思ってたんだ。君とずっと一緒にいたくて。4年付き合って、、なんなら一緒にいたのはもっと長くて、それぐらい一緒にいてこれからもって、、
え、僕こんな一緒にいたのに気づけなかったの?、
それになんでもっと早く言ってくれなかったんだ?なんでそんな簡単に言えるんだよ
君に怒りさえ出てきて、、
いろいろ言いたいのに、、、
そんなことよりも君がこの世界から、僕の世界、生活から消えるのが悲しくて悲しくて、
吐きそうなほど胸が苦しい、どうすればっ、
すると君が
『ごめんね。手遅れらしくて。発見が遅かった。』
君はいつ自分の余命の話聞いたんだろう、、
僕の前でどれくらい無理して笑ってくれてた?
、、辛いのは君じゃないか。一番辛かったのは君だ。
僕は、、君が好きだ。
「ごめん。」
『え、なんであなたが謝っ、、、
「結婚しよう。」
『え?、、え、なに、言ってるの』
「結婚しようって言った。僕はどうしても君がいい。君じゃないとだめなんだ。」
『っ、、、』
「君の変化に気づけなかったダメダメな僕で本当にごめん。でも、申し訳ないけど君と離れるなんてことはできない。僕は君を愛してるから。」
引き出しから取り出し、
泣いてる君の前に膝をついた。
パカっと開け、君の前に差し出す。
「僕と結婚してください。」
『っ、、だって、でも私っ、、』
「君の気持ちが聞きたい。でもとかじゃなくて」
『、私もあなたを愛してるっ、、、。
で、、っ。ぃ、、いいの?』
「当たり前でしょ、僕は君がいい。」
すると君が僕に抱きついた。
僕も抱きしめた。
2人とも泣きながら抱きしめあって、ぐちゃぐちゃ。
でももう今日はそれでいい。
神様、、、いるなら、、少しでも長く、、長く。
この幸せが長く続くように、続きますように。
僕は僕が君がいい言った時に笑った君の笑顔を忘れることはないだろう。この日も。
この先も。
「良いねぇ、きれい」
桜が咲き誇っている、まさに春爛漫!
人はこの季節、出会いと別れを繰り返す。
それが良いか悪いかは、また人それぞれ。
でもこんなにきれいなピンクの景色、、
私も誰かの隣できれいだねって分かち合いたい。
出会いか、、
最近別れを告げられてしまった、、。
長いこと付き合っていたのにな、結婚も、、。
しんみりしている場合じゃないなっ
舞い散る桜を見ながら思う。
もう少しこのあたたかい空間に私を閉じ込めて。
癒して、、。
きっと良いことが待っている____。
期待の気持ちを胸に私は歩き出した。
君のことは僕が一番わかっていると思ってた。
誰よりも。
でも違ってたみたいだ。
いつからかすれ違っていたんだ。僕はそれに気づかなかった。、、気づきたくなかった?気づかないふりしてた?
今さら考えたってもう遅い。
終わる時はそれはもう一瞬で、、
『ははっ、、』
1人残った部屋で僕はしばらく動けなかった。
もっと寄り添っていたら、何か、変わってたかなぁ、、。
『ごめん、、っ、、』
すっかり暗くなった部屋で僕は声を出して泣いた。
ずっと。ずっと一緒にいると思ってたんだ___。
窓から見える月が暗い部屋を少し照らしている。
このみっともない顔がもう少し落ち着くまで、、
月を眺めていようと思うよ。
この静かな君がいなくなった部屋で。
君と出かけるのは今日で4回目。
なんでか誘ってくれるから断る理由もなく私は今日も君と出かける。
、、私はデート、、と、思っている、、けど、
君はどんなつもりで誘ってくれているんだろうか。
(なんかそんな雰囲気もないし、まぁ本当に友達的な、、感じだろうか、)
そんなこと思いながら待ち合わせ場所少し早くついて君を待っていた。
まぁ、いつも楽しいから良いんだけど。
【君さぁ、今1人?俺と遊ばない?】
(げ、、え、ナンパ?私?えー、、、)
「いや、人と待ち合わせしててもうくるので」
【でも結構待ってない?こないんじゃない?笑くるまえにさ、俺とお茶でもして、遊ぼうよ、ね!】
と急に腕を掴まれてしまった。
「あ、いや、ちょっ、本当にあの、」
『ちょっと、すみません。その手離してもらっても良いですか?』
(あ、、)
【あ?なんだよ邪魔すんなよ】
『いや、邪魔もなにも、僕が彼女と待ち合わせしてたんです。僕が来たので邪魔なのはあなたです。やめてください。』
と私を引き寄せてくれた。
【ちっ、なんだよ】
と普通に去っていった。よかった。
「あ、ありがとう。」
『ごめんねっ! けがはない?他に何かされてない?』
眉毛をこれでもかと下げている君。
「大丈夫、ありがとう」
『よかったぁ、良かったよ、本当に。』
、、きゅぅっと胸が苦しくなる。
好き募ってきているな、、。
あまり期待はしないように、しなきゃな、なんて。
今日のお出かけ中そんなこと考えてしまっていた。
でも今日も楽しかったな。
『あのさ、、今日、なんか元気ない?』
君がそう聞く。
「え、なんで?」
『なんか、、元気ないように見えて、やっぱ待ち合わせの時何かされた?それとも僕と、、いるのは楽しくない?』
「そんなことない!!」
ぶんぶんと首を横に振った。
「君といるのが楽しくて、、、その、、、勘違いしそうで。」
『?』
「、、デート、、かなって。」
赤い絶対、私赤いな、、。
『勘違いなんかじゃないよ。』
「え?」
『そっか、、、僕のせいだね。ごめん。もっと早く言えば良かった。、僕も、その、、ちょっと不安で。、、
でも勘違いなんかじゃない。僕は君だからお出かけに誘ってるし会いたいと思うんだよ。、、デート、だよ。』
『君が好きなんだ。その、、これからもずっと一緒にいられたらなって、、思ってます。君とずっと一緒にいたいなって、、、本当に。』
「私も、、好き。好きです。」
『つ、付き合ってくれますか?』
「もちろん、、っ、」
泣いてる私を優しく抱きしめてくれた。
嫌われてなくて良かったぁと君はだいぶ焦っていたみたいで、抱きしめながら君も私につられて泣いちゃって。
それがちょっとおもしろいしかわいいなと思った。
とりあえず2人とも泣き止むまでしばらく、このままで。
沈む夕日を君と見てた。
夕日でオレンジ色に染まった君の横顔があまりにも綺麗で、、
本当に、きれいで。
「すき、、」
呟くように私は言ってしまった。
『、、え?』
「え、?」はっ、、
「ご、ごめん!いや、あの、、」
『もう一度、、
いや、、僕に言わせて。
、、、君が好きだ。』
「え、、?」
泣きそうだ。
「ほ、本当?」
『うん、、本当。好き?』
「う、うん、す、、好き。私も。」
ああ夕日、まだ沈まないで、顔を赤く染めてて。
2人が本当に赤いのを隠したいから。