『やりたいこと』 No.83
また家族みんなで旅行に行きたいな。
いとこもおばあちゃんも、おじいちゃんもみんなで。
今はみんな、忙しいけれど
『朝日の温もり』 No.82
──はっー。
広がった視界、いつもの天井。…もう、朝か。
まだ薄暗い部屋の中、私はもぞっと腰を上げ、ベッド上の目覚まし時計に目を傾ける。
4──12. 4時12分だ。
あわよくば二度寝を…とは思ったものの、目はぱちくり開いていたので諦め、カーテンを開けてしまうことにした。朝とはいい、静まり返った辺りがちょっぴり怖くて、そばに置いたぬいぐるみを胸に抱いた。それから、冬の寒さで底まで冷え切った床をひたひたと進んだ。窓へ近付くその一歩が、部屋に少しずつ光を寄せていた。
サアッ。金のひかりが、さっきまでとは見違えるように部屋に一筋伸びる。広がる。冷えた床が暖かくなったようにも感じられる。
試しに覗いた小窓にも、光が差していた。
お隣さんも、向こうの方のパン屋さんも、みんなが外に出たり、窓を開けて朝日を見つめる。海の上で「おはよう」と微笑む朝日がまばゆい。
おはよう、私の朝
闇に飲まれた天から、バラバラと落ちてくる雨。辺り一帯暗く、重い。ずっしりと。一歩一歩、地に力を吸い取られるようにも思えた。もう、嫌だ。歩きたくない。ベチャッと鈍い音とともに傾く体は冷え切り、空っぽだった。
いつからこんなに長い分かれ道を、まちがった方を、進み出してしまったんだろう
お題
岐路 より no.81
「今日は、雨だね。」
レストランを出て、残念そうに空を見上げる彼女。
手をトタン屋根から差し伸べて、雫がしたたっている。
僕は、手ににぎりしめた指輪の箱を強く握り直した。
お題
天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、 より
「やだ、来ないで。近付かないで。」
怖い。冷たい。震えが止まらない。
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
パンッ!
「お母さ~ん!蚊を殺したよー!」
お題
何かからひたすら逃げる私 より