コトン。窓ガラスに何か当たる音が。
壁掛け時計は夜中の11時を指し、いつもなら夢の中で過ごしている時間。
震える手をそっと布団の中に潜り込ませ、頭も引っ込める。息をするためにちょっとだけ壁の方の布団を開ける。
怖くて怖くて、息も苦しくなる。穴を開けておいても、なぜか苦しい。目をギュッと閉じて、思い切ってバッサーと布団をめくった。

「大丈夫？もう！怖がりねぇ」
スリッパを履いて、部屋の中に来てくれた。



真っ白なふくの、長い髪の人が。





お題
　怖がり　より

黒く冷たく
染まったキャンパスに
金の絵の具が
飛び散って

キラキラ輝く

星が溢れる



お題
　星が溢れる　より

祖父に会いに、病院へ

顔の布をめくる

安らかな瞳

霞んだ、灰色の瞳

私は潤んだ瞳

お題
　安らかな瞳　より

ずっと隣で
笑っていたかった
喋っていたかった
愛していたかった

ずっと　ずっと　ずっと
隣で

君の笑顔を
　　その輝かしい目を
　　白い肌を

見つめていたかった


今
右下をふと見下ろしてみても
君の姿は

何処にもない




お題
　ずっと隣で　より

君のことをもっと知りたい

なぜそんなに笑顔が輝いているのか
なぜそんなに綺麗な目で見つめてくるのか
なぜそんなに僕の心を揺さぶるのか
なぜそんなにいたずらっぽく驚かすのか

なぜ
突然　僕の前から

消えてしまったのか





お題
　もっと知りたい　より