雨音

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コトン。窓ガラスに何か当たる音が。
壁掛け時計は夜中の11時を指し、いつもなら夢の中で過ごしている時間。
震える手をそっと布団の中に潜り込ませ、頭も引っ込める。息をするためにちょっとだけ壁の方の布団を開ける。
怖くて怖くて、息も苦しくなる。穴を開けておいても、なぜか苦しい。目をギュッと閉じて、思い切ってバッサーと布団をめくった。

「大丈夫?もう!怖がりねぇ」
スリッパを履いて、部屋の中に来てくれた。



真っ白なふくの、長い髪の人が。





お題
 怖がり より

3/16/2023, 10:19:29 AM