『タナフォトビア』
痛い気な悪魔に気づいて
存在を確認するんだ
苦手な蜜は一瞬の幸福に
過ぎないから目を逸らす
命の悲鳴、傷口に降る雨のように
泣き止んだ後にはきっと泣けもしない
あとがき
自宅のトイレの中で考えていました。
『当たり前と常識』
例えば、目の前で友人が手首を切り始めても
例えば、オーバードーズして粒を噛み砕く音
例えば、交通事故や病気で植物人間になった人生
例えば、DVだと気づいても止められなかった隣人
例えば、見えない者が見える同志に出会う確率
例えば、朝と夜が逆転したのにやり過ごす毎日
例えば、飯の準備がされていて、寝る場所があって
例えば、キリのない可能性をあげている奴とか…
…◯してやろーか?お望み通り。とか思っちゃう人
あとがき
その生物、それぞれの当たり前や常識を
数十年しか生きていない私たちがとやかく
言うのはおこがましいと心の片隅に置いていたり
いなかったり?
近い話でいうと男性は短髪!みたいな当たり前も
ここ数百年の話ではないかと…
『マリッジブルー』
どこまでも透度の高い琥珀糖を愛した
だんだんと硬度を失う琥珀糖を愛した
時間と共に色褪せる記憶を振り返る
涙の溶けた熱いお湯で消えていく君を愛でた
戻るはずのない背中を探しながら待宵
あとがき
琥珀糖とマリッジブルーという言葉を合わせたくて!
透度は糖度にかけて1番最後の言葉は待宵(まつよい)と読みます。来てくれるはずの人を待っている夜の事を指します。琥珀糖って熱湯かければ溶けますかね?
『積み木と地球儀』
上を神と呼ぶこと。
地獄も天国もその者次第であってほしいこと。
貴様もバランスをとるのは大変ということ。
死後の世界に重なりが多くて怖くなること。
ふと思い出した石の玉をもう手元に置けない事
『綺麗な願望の遺書』
この世で厄介なものの一つは『思い出』だよ。
喜んだ記憶は何気ない日々
怒った記憶は憎しみに縛られ
哀しみは傷をえぐられた数
楽しい記憶に溢れていたら素敵
別れ際、思い出すのはお金のことじゃない
あの人と過ごした空間の香りや
あの人との食事の時の会話や
あの人の言い出さない気になる癖
そんなことばかり思い出されて
私はこの世を去りたい…