麦わら帽子
「あはは見て!とてもきれいだよ!
ほら早く来なよ!」
「嗚呼そうだな。」
青空に青い海あまりの青さに目が痛くなる様な青さと絵画のように綺麗すぎる目の前の
情景に不気味さや空恐ろしいものを感じた。
君の白百合のようなワンピースが潮風に靡かれ
膨らんだと思えば咲いて、
君は白波の様に波立つワンピースの中で
泳いでる。
裸足で浅瀬の寄せたり引いたりと揶揄う様な
波と攫われまいと遊んで
麦わら帽子が風に飛ばされないように両手で
強く握ってる。
ありきたりな映画のワンシーンのようだった
そんな彼女がふとまるで泡のように
青い夏に溶けてしまうのではないかと
怖くなった。
空恐ろしさを上手く言語化出来ないもどかしさ、
子供の言い訳ようなおかしな文句、
僕を置いて満面の笑みで楽しむ彼女の無神経さに苛立ちと焦燥感を覚える。
早くここから逃げ出したい。
「もう帰ろう。」
僕は君の細くしろい手首を
彼女がちゃんとそこに実在する事を確かめるように離さないように強く握った。
麦わら帽子を抑えてた手が一つ失った途端
強い潮風に攫われ麦わら帽子が高く飛んで
青い夏に消化された。
あ…やってしまった
僕はただ高く舞い上がる麦わら帽子を呆然と
自分がなにも出来ないという無力感に
浸りながら事の顛末を見ていた。
あの日から
麦わら帽子を見つけると思い出すかのように
あの青い夏に溶けた君を探すんだ。
目が覚めるまでに
私の好きな人が
「好きだよ」と甘い言葉を囁いてくれた。
あなたに言われなくても分かるよ
これが夢だって
だけど、目が覚めるまでに私に夢を見せてよ。
あの人が私の頬を花を触るように
優しく愛おしそうに触ってくれる。
お姫様は王子様との真実の愛で目覚める。
私の夢の結末がキスで終われたとしても
それは現実に目覚める為の終わりのキスだ。
お祭り
一夜の空に浮かれる空上花
夏の暑さにのぼせ夢見る人達よ
見届けよ燃え尽きる花の一生
その目に焼きつけろ浮かれ人よ
誰かのためになるのなら
私は微笑を顔に打ち付けます。
私は愛想を枯らしません。
私は優しく人の願いを聞き入れます。
私は愛を人に与えます。
その愛はいつ私に還ってくるのでしょうか。
友情
お友達のあの子は「手を繋ぐ」
私の手は熱くなり鼓動する。
お友達のあの子はは「抱擁」する
私は恐る恐る貴方の後ろに手を回す
自分の手がやっと届くと安心する。
お友達のあの子は「好きだよ」って言う
私は戸惑わせられ今までは「ありがと…」としか
言えなかった。
でも今では「私も好き…」って
言えるようになった。
きっとそれは「友達」として「普通」
そのぐらい理解できてる、勘違いはしない。
でもこの感情の「好き」は
理解出来ない。勘違いしてしまいそうだ。