椋 ーmukuー

Open App
6/1/2025, 2:58:08 AM

自称進学校。そんな事は入学するずっと前から知っていた事だった。この辺りの地区ではトップレベルの学力を誇っていて某有名大学への合格者も毎年それなりの量で出ている。

勉強がそんなに好きなわけでもないのにこんな学校に入ってしまった。後悔というよりは生半可な気持ちで周りの奴を蹴落とした事を申し訳なく思っている。自分の存在証明のために、肩書き1つを手に入れるために、自分は入学してしまった。でも、それは後に自分自身を苦しめる事になる。

「1日12時間以上の勉強なんて当たり前でしょ」

「え?習ってない?そんなの、予習していればわかるでしょ?」

「隙間時間は何してるの?勉強じゃない?そんな余裕もないのに……呆れた」

先生は顔色1つ変えずに何度も何度も洗脳するかのように言っていた。

周りには授業でさえも机の下でゲームに集中している奴、一軍を気取っている奴、大人しく身を潜めている奴…そんな奴らばかりが溢れていた。非常識な奴らでも授業の内容を理解してテストでは高得点を取る。気持ち悪くて仕方がない。生まれ持った才能とはこういう事なのか。努力はした。それでも下から数えた方がよっぽど早かった。だからまた努力して必死にしがみつこうとしている。それでも結果は変わらなかった。結果重視の世の中で、結果を残せない奴は軽蔑される。無駄じゃないって思える日が来るとも思えなくなった。ただただ無気力になっていく毎日。

「またこんな低い順位…兄にも姉にも勝てないなんてみっともない…もう少しまともになりなさい」

勝ち負けなんて……。
そんなくだらないものに今日も自分の人生は評価されている。

題材「勝ち負けなんて」

4/5/2025, 11:51:59 PM

チャイムが鳴ったら起立して礼して着席する。人生の何分の1にも満たない青春という期間はこうして毎日すぎていくのだ。

「黒瀬くん!」

「ひ、響暉先輩!」

どいつもこいつも女は甘えるような胸糞悪い声で呼びかける。

「どうしたの?僕になんか用?」

営業スマイルで返せば

「呼んでみただけ…///」
(やっぱり私に気があるんだわ…両思いよね…!!)

「あ、やっぱりなんでもないです…」
(続き、気になりますよね?早く振り向いてよ)

あぁ、やっぱり毎日はつまらない。

「なぁ、クロっち。俺さ、男なんだけどよ、クロっちのことそーゆー目で見てるっていうか…クロっちに惚れちゃったんだよね。困らせる事はわかってんだけど…」

ついに男まで落とす日が来るとは思わなかったが答えはNO一択だった。

「そっか。でも僕はその気持ちにk」

「琥珀先生がいるからか?琥珀先生が…好きなのか」

「…琥珀先生か。僕は琥珀先生を…やっぱり秘密かな。気持ちはよくわかった。じゃあ僕の事、落としてみてよ?楽しみにしてる」

親友ポジションにいるとある男子生徒Aはその場を去った。

「奇遇だなぁ、琥珀せんせ♡盗み聞きとは良い趣味してますね笑」

ふーっと深く息を吐き出したヤニカス先生は無理矢理キスをしたうえに口の中に噛み跡を残した。

「俺の事試してんの?あんま浮気してると本気で堕として俺がいなきゃ生きられない身体にするからな」

「不安ですか?俺が誰かに取られるの」

「どうせクロは俺んとこに戻ってくるんだろ?不安も心配も微塵もねぇよ」

目の奥に闇を含んだ微笑みは病みや独占欲がドロドロに混じりあってゾクゾクした。
これだよ、これ。琥珀のこういう内に秘めてるこの姿が僕の……‪✕‬‪✕‬‪✕‬‪✕‬。好きだよ、琥珀。でももっとぐちゃぐちゃになってもらわないと、僕満足出来ないんだよ。楽しみにしてるよ、琥珀先生?♡

題材「好きだよ」

4/4/2025, 10:11:37 PM

※同性愛が苦手な方はご遠慮下さい

「シロ先生、春休み終わっちゃいますよー。このまま新学期まで引きこもりとかゴメンなんスけど」

「あ?んー…じゃ、桜でも観に行くか」

これは生徒人気No.1英語教師である佐藤琥珀(さとう こはく)先生と誰からも好かれやすく裏表のある生徒の黒瀬響暉(くろせ ひびき)くんのごくごく「平凡」なお話です。※保証はありません

「シロ先生、最近気づいた事言っていいっスか」

「おー」

「僕、シロ先生のこと嫌いなわりに実は色々と相性良いんだなって」

「おい、嘘つくなよ。嫌いではないだろ?」

「・・・嫌いっすね」

「なんでだよ。ったく着いたぞ」

「運転お疲れ様でしたー。うぉ、この公園桜すげぇ。超感動するわー」

「棒読みで言われてもな」

確かに桜は綺麗だった。今まで誰と桜を見ようが何も思わなかったのに。なんて、シロ先生に言ったらネタにされるだけだな。ーパシャリー

「あ」

「おいこらヤニカス先生。生徒盗撮なんていい度胸してんなぁ?あ、じゃねぇんだよ…では、その写真消しましょうか」

「え?あー…嫌だな」

「消して下さ…」

先生のスマホを取りに近づいた時に先生は軽く口づけをした。僕の不注意故に公共の場でこんなことを…恥

「何やってんすか…」

「早朝の公園なんざ、人居ねぇよ。許せこんくらい」

そして、その辺をぷらぷらして僕たちはまた帰ることになった。

「桜、綺麗でしたね」

「だろ?俺のお気に入りの場所」

「………」

「なぁ、クロ。クロが俺の事嫌いじゃないの、知ってっから」

「はぁ?!何言って…」

「だってクロはいつも俺のために鳴いて求めてくれるだろ?なんなら攻めれば攻めるほど気持ちいいとかすk…」

「それ以上は禁止です、シロ先生。さすがヤリ〇ンヤニカス■■■■■■■■■■■■■■■教師(自主規制音)です」

「へーへー。否定しないって事はクロも俺の事好きなんだなー嬉しい嬉しい。じゃあ帰ったら遠慮なくクロを頂くわ」

「おい、話聞いてたかこの■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■教師が…はぁ、まぁ、いいッスよ、煮るなりヤるなり食うなり好きにして下さい」

本日もこの2人は平和(らしい)です


初めましての方も久しぶりな方もいらっしゃいますね。椋と申します。自分のスマホを持てたことは嬉しいのですが、データが色々とややこしい事になりまして、新しいアカウントでまた投稿を再開する事となりました。これからも自分のペースでたくさんの投稿をしていきたいと考えていますのでよろしくお願いします。