ぺんぎん

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4/2/2023, 1:04:43 PM

何でもない日のホールケーキを特別にきらきらしたナイフで切り分ける仕草がすきだった、少し節くれだった指に背中のほうを引っ掻かれるとき降りかかる痛みが嬉しかった、濡れそぼった髪を梳かしてもらうのがこそばゆかった、こんなこと、ぜんぶぜんぶ過去のうちでとどまっているのが憎かった

4/1/2023, 10:46:09 AM

同じ色景色痛みを共有できないそれほどに寂しいことはないと
メッセージアプリの絵文字のばってんが教えてくれるはずだ あのくらげは同じように
同じ海でたゆたってはくれない つき損ねずに喉に置いていかれた嘘もきっと同じ痛みを孕んでいる

3/31/2023, 12:58:51 PM

血管みたいなイヤホンを、冷たいベッドからうにうに探りだす無力、午後、マグカップ越しに舌に注いだ牛乳で余計に喉が渇いた、そんなちいさないじらしさは君にとって、そんなに惨めだったか、幸せというのは、案外不格好な形でごろついていて見つけにくかった

3/28/2023, 3:33:35 AM

みんなが好きだから好きだと君に言い寄った、それより他に君を傷つける方法を知らなかった、君は案の定、持ち合わせたきれいな顔で痛がるような素振りを見せた、でもそれはほんの一瞬であった、君はわたしの顔をほんの少し撫でた、かわいらしい君への残酷な仕打ちはいとも簡単に突っぱねられた、偶然的に目が合った、あたしもすきよ、と君は砂糖をまとわせたような声でひとつ、そう吐いた

3/24/2023, 1:14:27 PM

雨の振り次ぐ中で、雑踏の中で目を見開いてもたいした痛みは伴わなかった
水くさい匂いに塗れたとき、まぶしい夏が胸のそばに今さら溢れかえり、ふと我に返った
君の好意を受け止めきれないことただそれがわたしの背負う罪で汚点で痛みだった

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