ぺんぎん

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1/31/2023, 9:38:23 AM

君はきっと知らない、ふたつ揃えたネックレス、項に通したそれが、わたしにとって
鎖骨と心臓の間でゆらりと揺らめいたそれが、身が潰れるほどに嬉しいものだってこと
やけに色づいた君が、その金属のきれいに擦れる音を忘れるのも、もうすぐなんだろう

1/29/2023, 10:04:40 AM

ホットミルクをあたためてあえて掻き混ぜなかった角砂糖をスプーンで掬う時
そうしたやや透明な溶け残り、粒つぶにささやかな喜びがうつる
こういうときには、ちいさな霜が降りたみたいで、やっぱり冬がすきだ

1/29/2023, 5:58:19 AM

あのひととの行為に私、何も求めていないの。ただ、朝方のひどい稲妻のそばで、ぎゅっと手のひらを絡めてくれる、それだけでうれしいの。
そんなこと、ただひとつ言っていたあなたは、朝にひかる雲の鱗のように海に沈みました
わたしはあなたの住む街にあなたと行きたかった、この脚でこの地を踏みしめるとき、いつもそんなことを思う

1/27/2023, 4:45:04 PM

君の左に嵌められたその、重くちいさな証を指ごともいで、まだ芽吹かない桜の下にでも
埋めてやろうとも思ったけど、そんなことで君を祝福するのはやめた
わたしは黄色いチューリップを迷わず君に差しだすだろう、君は花がよく似合う人だから

1/23/2023, 2:03:32 PM

わたしは君の挙式に、薄くてきれいな文字で手招きされている
その、ただ花ひらくだけの報せに、少しばかりか寂しさをおぼえてしまう
促されるままに君が大人みたいにはにかむから
自販機の少し上の段、ブラックコーヒーの味がまるでしなかった

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