ぺんぎん

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7/7/2022, 10:24:37 PM

もう触れることはない
貴方の頬に手を滑らせている午後
喉に何か詰まらせてしまったかのように
貴方の双眸に滲んだ雨を見つめていても上ずった声が喉から滑る
愛に焦がれてしまわないように慎重に
でも僅かに残った熱を持て余してしまいたくないから
貴方の甘い影にすがりついたまま離れないでいる

7/4/2022, 12:54:39 PM

守ってみたいひと、守ってくれるひとがいる
それは何故かとてつもなく嬉しくて幸せなのだと
もう二度と見ないかもしれない、いいやまた出会えるだろうと
滲んだ空を突き破るように、ぬるい水溜まりの上を駆けている

6/30/2022, 1:13:48 PM

ぷつりちぎれることなく濃い赤は
更に想いをのせている
甘酸っぱいレモンを齧るように
貴方の言葉ひとつひとつを反芻する
細くて脆く、去れども真っ直ぐに貴方に向かう糸は
純粋な愛しさを噛み締めたまま

6/30/2022, 9:21:30 AM

ほろ苦くて癖になる
風にたなびいた煙草が入道雲に滲んでいる
ちりちりと音をたてずほろりと崩れてゆく
鮮やかにめらめら沸き立つ掌におさまった熱
濃い青が灰に沈む、苦い味を頭に殴り付けるように
また貴方のことを考えている
煙草一本分、悔やみきれぬ愛を憎んで
灰皿でちいさな炎をにじっている

6/25/2022, 3:37:19 PM

ぱっと触れた掌が熱くなっているのは気のせいなんだ
繊細な花びらを紡いでいったかのような
君の優しい微笑みに不意にどきどきして頬が爛れたように熱くて
なんでもないような素振りで言葉をそよがせた
私は口に押し込まれた綿菓子のようにしゅんわりと溶け合っている
君の傍にいるだけでなんだか可笑しくなっている

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