ぺんぎん

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6/24/2022, 12:52:33 PM

心のうんと深いところまで
苦くてへんに癖になりそうな
煙草の噎せ返るような匂いが染み付いている
じくじく痛む傷跡は
継ぎはぎに繋げられたまま 

君が汚してくれるんだったら
何色でも良かったんだ

6/22/2022, 10:26:11 AM

君から貰ったソーダ色のハンカチ
汚したくないようないろんな色に染めてみたいような
そんな気持ちでちょっと重たい宝物のようなそれを
風の匂いがするワンピースのポケットの中に収めたまま
もくもくと背を伸ばす入道雲と翳る道を踏みしめ
ちょっとだけ大股で、ちょっとだけ笑ってみせて
あったかい君の影に駆け寄っている

6/20/2022, 10:15:10 PM

やっとの思いで喉から押し出された言葉は
あまりにも優しかった
少しだけ雨に濡れているあなたの肩を見つめていた
泣き出しそうな瞳だ

6/18/2022, 12:37:38 PM

ふと唇が切れるたびに
貴方の柔らかい項の感触が過る
未だ残る貴方の面影と
じりじりと痛む傷口をつぎはぎで埋め尽くすように
小指でリップクリームを塗る

6/14/2022, 10:59:55 AM

曖昧に言葉を喉に詰まらせた私は
今日も雨も降っていないのに傘を差した
灰は心を塗りつぶしていって
雨はそれをひたすらに滲ませようとしているだけだ
冷たくて痛い、曖昧なぬるい風が纏う
こんな日にさえ傘を差すのは、ぐしゃりと歪めた顔を
頬を滑る雨のようなものを、ぼんやりとした視界を
ビニール傘で誤魔化したかっただけだ

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