ぺんぎん

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5/7/2022, 12:25:46 PM

幾千もの瞬く星をぎゅうっと詰め込んだみたいな
ぱちんと弾けるような、びりびりと身体中があっつくて頭のなか壊れるくらいの
突然こっちを振りかえって、ふわりと笑った、ああ駄目だ
きゅうと心臓がひっこんだ、しゃがみこんだ
顔にあがった熱が治まりそうにないや
徐々に高まってくる、ああ好きになりすぎる

5/6/2022, 12:07:06 PM

なんでもいいから、もうすぐ空っぽになる私のからからの体を、
愛とかいうやつで一杯にして欲しいんだ。
ああ、なんで今更こんな綺麗な涙が出てくるの。
綺麗なものを求める度に喉奥は水の泡を出す。苦しい、溺れていた。
好きで好きでたまらないのに、あっさり道化の振りをする私を嗤ってくれ。
快楽で誤魔化した毒々しい欠片ごと殴り付けてはくれないか。
ぷかぷか波の音とたゆたっていた、呑気でだらしなくて頼りない笑顔。
それでも欲しがった。純粋な愛情を。

4/26/2022, 1:54:20 PM

さらさら、霧が降ってきたかのような繊細な雨粒が辺り一面に舞った
あまりにも優しすぎた音
ほどけて、空気と溶けていく
傘なんて要らないくらいだ、霞みがかったベール
ひたすらにはしゃいでいた
ぽわぽわ宙を確かに舞っていたような気がするんだ

4/22/2022, 11:28:59 AM

力なく笑ったあなたを見た。ぴしゃりと身体の芯まで氷水をぶっかけられた気分だ。
ああ、それ以上を超えてしまった、紛れもない愛。元には戻れない。
どうして愛は、見ないふりをしようとしても、
薄ら笑いを張り付けて、振り切って捨ててしまおうとしても、
頭の片隅から降ってくるの、捨てきれないの。
愛はどうして私を真っ直ぐ見るの、なんで。
じんわり熱い胸の辺りをさすった。微熱をいったりきたり。
べっとりと心臓に塗りつけられた毒々しい私の醜いかけら。
好きだよ、多分まだ好きだよ。
ぴんと張った飛行機雲の白い輪郭、透き通った碧に溶け合っていく。
ああ、今日の空は痛々しいぐらいに美しい。

4/20/2022, 10:39:29 AM

最愛のあの人は、泡沫の雨に混じって消えた。 
都会の街並み、隈だらけの濁った瞳がショーウィンドウに映った。
ガラス張りのそこにいる自分には、なんにもない。
なんだろう、身体の奥深くの神経をするりと撫で上げられたような、気が、
汗がべっとりとよれたシャツに張り付いて滑り落ちた。
その途端に、自分の毒々しいものが全身から一気に抜けていった。
これは、だめだ。
ぐちゃぐちゃの脳はなにもかも真っ白で。
ふっと頭をもたげるような、緩い衝撃に耐えきれない。
朽ちている、おそらく今も。ざわざわと、人混みがくちゃっと歪んだ。
だめ、この瞬間、駄目だ、そう思った。
真っ青な空が、白と混ざってぼやけていく。泣いていた。
今泣いてしまえば、もう感情が止まれないことを知っている。
嗚咽をぐっと噛み殺せば、妙な吐き気がする、息の仕方が分からない。
心は既に空っぽになっていた。何を混ぜ混んでも、詰めても、塞がってはくれない。
くだらない喪失が、今頃自分を蝕んだ。

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