ぺんぎん

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4/17/2022, 4:07:37 AM

ここではない、何処か遠く、
誰かは嘆き、誰かは笑い、誰かは誰かを愛したのかも
ここではない、何処か遠くを見据えて皆
生きづらさを振り切って一日を今日も過ごしていたのかも
すごいなあ

4/10/2022, 12:30:47 PM

バルーンみたいにやんわり膨らんだチューリップ
弧を描いて、つぼみがひらいた若々しい燐とした姿
暑い陽射しはいまだ時の流れの早さに追い付かないやや薄着の肌に心地よい戸惑いと蒸し暑さとを感じさせる
スポイトで色を掬って、たっぷりと水を含ませたような繊細で透き通った花びらが重なっているのを見つけた
美しく、こんなに儚いのに、しっかりとした軸で自らを奮い立たせていた

木洩れ日が降り注いだ今日、私は春爛漫

4/6/2022, 11:50:02 AM


トパーズを僅かに濁したような瞳色が
私をゆっくりと侵していく
あなたを裏切った醜い私をその美しい姿で見つめているのだ
嗚呼、美しく憎らしい
これは純粋な愛だ、愛しているのだ
愛している、誰かに捕られてしまうくらいなら
あなたをこの手で沈めてしまいたい

4/6/2022, 12:01:14 AM

紺色の長いスカートからすんなり伸びた真っ白な素足
抜け出した丘の上
ちらちらと舞う星を見つめていたあなたの瞳に透明な雫が降る
あなたからせりあがってくる雫は綺麗だった、どんな星よりも
月がぼんやりとあなたを浮かびあげる
ぎゅうぎゅうと胸を締め付けられる
愛しい、誰よりも愛しいのだ

4/4/2022, 9:25:55 AM


軽い耳鳴り、途端にぐらぐらに果実を煮詰めたような匂いが充満する。ぐちゃぐちゃと混ざった匂いが鼻を掠めると、堪らなくなって一目散に駆け出した。吐き気と欲求がごっちゃになって脳を殴り付ける。水をゆっくりと抜かれていく魚みたいにぱくぱくと浅く呼吸を繰り返す。胃の奥からせりあがってくる。腹の中があつい。気持ち悪い。埃っぽい階段を何段も何段も駆け上がってがちゃっとドアノブを捻る。襲いかかっていたものからの脱出。屋上の白い床にしゃがみこんだ。安堵と恐怖のあまり嗚咽と過呼吸を繰り返す。
ふと周りを見回す。目線の先に、誰か、居る。
その途端、自分を襲っていた心の葛藤が空っぽになっていくような感覚。いつまで経っても埋まらない痛々しい穴を優しく撫で上げられるような心地がする。ゆっくりと自分のなにもない水槽に水を注いでくれる。泣きたくなるような気がした。これは目線の先のあの人から出ている匂いなのか。もっと触れたい、息を吸いたい。
未だおぼつかない足取りで近づく。
レモンミントみたいな爽やかな匂いが身体にひっついていた鉛を剥がしていく。生きづらさが薄まっていく。視界に透明な膜が張る。愛だの恋だのと、そんな生ぬるい身体だけの繋がりでは表せないくらい、恨めしいくらいにそれを必要としていた。
壁の影にしゃがんで、二人だけの空間で、ひたすら嗚咽を噛み殺していた。
古い校舎の屋上の片隅、自分は初めて自分の居場所を見つけた気がした。

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