どこにも行かないで
小さい頃は、どこにも行きたかった
箱庭から出たかったから
見知った風景に飽き飽きしてたから
窓の外に写る、鳥や緑たちが、自由に輝いているのが
羨ましかった
だから
どこにでも行きたかった
箱庭に出された時に
あてもなく彷徨ってできた 仲間たち
体が壊れてでも 繋ぎ止めることにやっきになってた
そんな私だから 壊れちゃって
どこにも行かないでって
思っても 言葉には紡ぐことなく
足を引っ張るくらいなら
いっそと 皆の前から消えた
そんなふうに 渡り歩いて
いろいろあったけど
それでも 私の中に生きてる仲間たち
この思い出は
どこに行かないで
と夢想に思いふける
**届かない**
夜空に伸ばした指先は
あの星に届くことなく
ただ冷たい空気をなぞり
ため息とともに溶けてゆく
声を響かせても
波のように飲み込まれ
君の耳まで届かぬまま
静かに夜は更けてゆく
手を伸ばせばすぐそこに
あるはずの温もりなのに
まるで幻のように
指の隙間をすり抜ける
それでも
もう一度だけ
届かぬと知りながら
光の欠片を追いかける
**木漏れ日**
木洩れ日の揺れる小径
そっと頬を撫でる光
風のささやきに溶けて
時の波へと舞い上がる
緑のカーテンの隙間から
優しくこぼれる陽の雫
まるで誰かの微笑みのように
心の奥を温めてゆく
歩みを止めたその瞬間
世界はただ静かに息をして
光と影が奏でる調べ
心にそっと染み渡る
**君に捧ぐ愛の詩**
そっと触れた指先に
君のぬくもり感じたら
時が止まるようで
ただ、そばにいたくて
星が瞬く夜空の下
君と歩いたこの道を
ずっとずっと忘れない
愛しい時間を抱きしめて
君の笑顔が僕の光
どんな闇も照らしてくれる
この想いが届くなら
ずっと君のそばにいるよ
**手紙を開くと**
手紙を開くと
過ぎた日々がそっと微笑む
紙の上のインクの波
時を越えた声が響く
封を切る指先に
少しの躊躇と期待が混ざる
そこに綴られた想いは
今も変わらず息づいて
遠く離れた誰かの心
言葉に乗せてそばに来る
手紙を開くと
あの日の温もりが蘇る