#平穏な日常
―――
朝に目が覚めて
夜に目を閉じる
熱い珈琲で始まり
暖い牛乳で終わる
そんな、ルーティン
欠伸でも出てしまいそうな程、なんて事ない日々
でも、その隣には何時でも君が居て
当たり前ではなかった
手に入らないと思っていた光景が、今は手の中にある
それだけで「嗚呼、幸せだな」と思うのだ
#愛と平和
―――
チュチュっと、小鳥の囀り
射し込む陽射しは、眩しすぎず温かい
軽く鼻を鳴らす音さえ聞こえる
穏やかな朝
すると、騒がしい足音と共に襖が開く
おたまを片手に、憎まれ口を叩く彼奴
その顔は不機嫌と言っているが、苺のエプロンを纏っているものだから何だか可笑しくて。
カラカラと肩を震わせていると、怒った様に突撃―という名のハグだと思う―をしてきた
嗚呼、なんと言うことか
寝起きの体には
随分甘すぎるような
眩しすぎるような気がするが
今は、この温もりに触れていたい
そう思い、今も小言を言う其奴を強く抱き締め返した
#過ぎ去った日々
―――
どれだけ振り返ったって
どれだけ探したって
貴方との日々は見つからないのに
#お金より大事なもの
―――
こんな紙切れで、溢れる涙は拭いきれない
手元に残る紙切れに、心の傷は埋められない
あれだけ欲しかったのに
今となっては、紙切れ呼ばわり
無いから欲しかった、大切にしていた
そこで気が付けたはずなのに
どうしてこうも、目先しか見れなかったのか
笑顔で写る写真に問いかけても
答えが帰ってくるはずもなく
薄暗くても賑やかだったのに
今は明る過ぎて、一人きりなのが余計に見えた
擦り寄ってくる冷たさにも
嘘ばかりの言葉にもう飽き飽きだった
電気を消しても戻ってこない
紙切れを捨てた所で変わらない
こんな景色を求めて
俺は全てを削ってきた訳じゃないはずなのに
こんな紙切れに、紙切れなんかでは
あの暖かさを、買う事などできないと
どうして、気が付くことができなかったのだろうか
#月夜
―――
街灯に照らされた帰り道
澄んだ黒に浮かび、控えめながらも魅入ってしまう白金に、彼女の姿を視ていた
今、彼女はどうしているだろう
たった3日の出来事が、昨日の事のように
そして、何年もの事の様に思う
それだけ印象的だったのだ
あの場所において、彼女という名の満月は
もう、道が交わることはないだろう
彼女にとって、僕は最高のパートナーになれないだろう
だが、確かに僕の知る満月は
今も太陽を求め、世界を飛び回っているだろう
ふと、口元に触れる
外気に当てられたそれは、やはり冷たい
ほんの少しそうしていると、僕は再び歩き出した
届かぬ満月を、追い掛けるように