手紙の行方
毎日あなたに手紙を書く
今日はあなたの好物の魚が安く手に入ったこと、あなたが楽しみにしていた花が咲いたこと、あなたの好きな甘味処が潰れてしまったこと。
毎日他愛のない事を書いて、いつもあなたを思い浮かべて書いて。
あなたから返事が来ないことは私が1番よく分かっている。でも、思わずにはいられない。
どうかこの手紙の行方があなたでありますように。
どうか届きますように、そう願いながらいつものように、仏間に向かう。
凛とした顔で、こちらを向いているあなたの写真の傍に今日の手紙をそっと添える。
あなたのもとへ
駅であなたを見つけた、やっと会えた私寂しかったのよ。久しぶりに会えたから沢山伝えることがあるのよ。なにから話そうかしら、あら、あなた髪の毛が少しボサボサだわ。
愛しいあなたの変化に思わず笑みがこぼれる。
多くの人をかきわけ、あなたのもとへ駆け足で向かって行く可愛い私をどうか強く抱き締めて頂戴ね。
そっと
夜ふと目が覚める。体を起こし隣で寝ていた月雲を見つめる。月の明かりに照らされて、寝息とともに青い髪がきらきらと揺れている。まるで星空のようだ、なんて思いながら、そっと頭を撫でると寝ているはずの月雲が小さく笑っている。
もう一度眠りにつくため、布団に潜って目を閉じ平和なこんな日がずっと続けばいのに、と思いながら意識を手放した。
創作子達の日常
まだ見ぬ景色
お兄様に見せたかった。季節によって変わるこの国の色鮮やかさを、花々が揺れ季節の風に包まれるお兄様を見たかった。
弟に見せたくなかった。この国の浅ましさ見苦しさを、他者を上辺でしか見られない愚か者たちを。人々の深い愛情に包まれる弟を見たかった。
まだ見ないでくれ。見つけないでくれ、この景色たちを
お互いを心の底で思いあっていた兄弟達。
創作子達の日常
あの夢の続きを
大きなテーブルを家族みんなで囲む。
みんな笑顔で、楽しそうに食事をしている。
だれも不機嫌じゃない、だれもかれも顔色を伺っていない。
みんな私の顔見て、他の人たちと同じように会話をしてくれる。
顔の半分を覆う大きな火傷跡に目をくれず笑顔を見せてくれる。
ああ、これは夢だ。と瞬時に悟る。
叶うことのない、手にすることも無い。
暖かく悲しい馬鹿げた夢だ。
ふっと目を開け辺りを見回すと、部屋に湯気の冷めた食事が置かれている。
私が寝ている間に、使用人が置いていったのだろう。
「ほら、ね。夢だったんだ」暗く静かな部屋に私1人。
夢の続きをずっと、夢見ている。これからもずっと
創作子の日常