後悔
グーを出せば良かった。
そうしたら君のむすくれた顔を見ずに済んだのに。
その顔もとっても可愛いけど、やっぱり笑顔がいちばんだな。
あぁダメだな、また口が勝手に開いて
「今日も負けってことにするよ」
なんて今日もつい甘やかしちゃう
愛を叫ぶ
貴方に届くように、何度も叫ぶ。貴方に、貴方だけに。
ねぇ、こっちを向いて。私を見て、貴方を愛するのは愛せるのは私だけだよ。
ねぇ、行かないで。そばにいて
夜が明けた。
深くため息をつくと、白い息がふわりと溢れる。
「……朝だ」静かに呟いた。
朝日が昇り始め、空が白んでいく。窓際に手をかけ、まだ眠る街を見下ろす。
静かな空間に、自分の心臓の音だけがいやに大きく響いていた。
ふと、自分の両手を見る。
べったりと血が付いている。弟の最後の温もり、肉を裂く感触。そのすべてがまだ手のひらにこびりついていた。
一歩外へ出れば、空はどこまでも澄み切っているのに。
私だけが、醜く、汚らわしい。
声も出せずに蹲り、涙だけが止めどなく溢れる。
夜明けに、一人ぼっち、罪を犯した私に。
もう二度と、朝は訪れない。
創作子の話
手を繋いで
「ねぇ、手をつないでよ」
いつものようにあなたの大きな手に自分の手を乗せる。けれど、あなたは握り返してくれない。
そうね、いつもと同じようだけれど違うのは貴方がひどく冷たく、静かになってしまった事ね。
綺麗に化粧を施された貴方に私の涙が静かに落ちる。
もういくらあなたをお願いしても、届かないことは分かりきっている。
けれどけれども、
「ねぇお願い、手を繋いでください」
あなたは誰
お兄様が僕の前で優しい笑顔を浮かべ、抱き締めようと両の腕を広げている。
やっと!お兄様が僕をきちんと見てくれた、愛してくれる!
嬉しさで、お兄様に飛び込もうとするも頭の奥で警鐘が鳴る。
ねぇあなたのお兄様はあなたのことをこんな瞳で見てくれるかな?
喜びで溢れ惚けていた頭は、冷水を被ったようにすっと冷めた。
抱きしめようと広げた両の腕を、目の前にいる紛い物の首を躊躇いなく締め、吐き捨てる。
「あなたは誰だ」
創作子