この道の先に
小さな足で一歩ずつ前を歩く。
騒がしく慌ただしく、あっという間の日々の中で
君の成長を垣間見る。
これからも君は色んな人や世界を見るんだろう。
この道の先に、どんな未来が待っているんだろう。
出来れば長く、近くで君を見守っていたいけれど。
大きくなった君は恥ずかしがるだろうか。
寂しくも微笑ましい、そんな想像をしながら君の手を引いた。
今はまだ、君への愛してるを惜しみなく与えさせて欲しい。
日差し
温かな日差しのような、そんな優しい世界で
君には生きていて欲しい
窓越しに見えるのは
窓越しに見えるのは、君と並んで歩んだ日々。
もう君は隣にはいないのに。
赤い糸
私には赤い糸が見える。
赤い糸は運命のパートナーと言うけれど、案外赤い糸が繋がってないパートナーもいる。
でも上手くやれているようで、絶対にその人じゃないとだめ!というわけではないらしい。
赤い糸は常に見えてるわけじゃなくて、運命の人同士が近くにいるほど見えやすくなる。
さて、そんな私は出会ってしまった。
何にって、赤い糸が繋がった先の人。
駅の構内で、糸が引っ張られていくのが見えた。
辿った先には、一人の男性。
印象は普通の男の人。
スーツを着ていて、仕事帰りみたいで、もちろん私のことなんて気にする素振りもなく歩いている。
え、どうしよう。
まさかこんな所で出会うなんて思ってなかった。
戸惑っていると、一人の女性が手を振りながら彼に歩み寄りそのまま腕を組んだ。
楽しそうに笑う二人はどう見ても恋人同士。
赤い糸はもちろん繋がってない。
でも、どう見たって幸せそうだ。
私の運命のパートナーさんは、自分の幸せを見つけていたみたいだ。
運命って、思ってたより劇的じゃないよね。
彼らとは反対方向に向かって歩き出した。
私の愛する人との待ち合わせに向かった。
入道雲
夏だね!と君が入道雲を指差した。
夏の空の青さと、入道雲の白と、君の笑顔に光る汗。
このめまいは暑さのせいでしょうか。
それとも、夏の魔法のせいでしょうか。