#27「透明な水」
ちゃぱちゃぱと音を立てながら水は静かに流れていた
水の中に浮かぶ小さな塵は水底へ
行く手を遮るものは削り
河原の石は丸く優しい形に整える
そして水は今日も透明さを保ちながら
海への、君の元へ行く長い旅を始めるんだ
#26「恋物語」
誰かが、誰かを愛する感情を「恋」と呼んだ
恋と言ってもきっかけは1つでは無い
一目惚れ
優しさ
楽しさ
顔
きっともっと沢山のきっかけがあるだろう
恋という木にはみんな花を咲かせたりする
しかし上手く受粉できずに枯れてしまう花もあるだろう
でもずっと歩いた先で幸せだと言える世界に生きていて欲しいと思う
誰かが
大切な誰かを
後悔のないくらい
幸せにすることが出来ますように
#25「愛を叫ぶ。」
ずっと片思いしている人がいる
アタシのこと、どう思ってるかな?
話しかけたいけど胸が締め付けられる
顔がいいわけでもなく
声がいいわけでもなく
背が高いわけでもなく
アタシが困っていると助けに来てくれる
そんな優しさに惚れた
ずっと気になっているのに
ねぇねぇ、なんて恥ずかしい
でもアタシは明日勇気を振り絞ろう
彼に届くように愛を叫んでみよう
#24「初恋の日」
小学3年生の始業式
クラスメイトも一新し新しい日々が始まった
席替えするまでは出席番号順に座ることになっている
忘れ物が酷い僕は持ち物の色鉛筆を忘れた
お隣に座る女の子に借りることにした
「ごめん、色鉛筆忘れたから貸してくれる?」
女の子は少し驚いた様な顔をして直ぐに
「あ、えっと、いいよ。はい、どうぞ」
その日からなにか忘れる度に女の子に借りていた
いつの間にか親友と呼べるくらいまで仲良くなっていた
ある日、お礼を改めて言っておこうと思い
「忘れ物酷くてごめんね」
と彼女に謝ったところ、彼女はこう言った
「始業式からずっと貸してるかもね(笑)」
と笑いながら返事をしてくれた。そして
「でもそれが藍(らん)らしいよ」
と笑顔で返してくれた
そんな君に、僕は惚れてしまったんだ
#23「明日世界がなくなるとしたら、何を願おう」
明日世界がなくなるとしたら、元彼に会いに行きたい
俺はまだ君のことが凄く大好きだったよって
いのりんの新曲聞いた?って
最後に一緒に飯食おうよって
他愛ない話とか色んな話を沢山しよう
でもきっと言えない
ねぇ、もう一度俺と付き合ってよ
…ねぇ、君は何を望む?