#8「神様へ」
ある日の放課後、隣の席の杏ちゃんが話しかけてきた
「ねぇらんー、藍は神様、信じてる?」
唐突な質問だった
「半分なら信じてるよ」
通っていた学校はきっと、僕の実力だけじゃ入学をすることができなかったからだ
「藍、神様を半分信じてたんだ!?((((;゚Д゚))))」
助けが欲しい時に助けてくれない、なんてこともあるので本当に半分なのだ
「じゃあ藍は神様が何か一つ叶えてくれるとしたら、なにをお願いするの?」
今度は真剣な顔で聞いてきた
「僕は……好きな人と結ばれますように、かな(´•ᴗ•;ก)」
「藍に好きな人いたんね!?」
さっきから失礼な(笑)
「悪かったな!(汗)……神様への手紙を書きたいな」
昔、恋をしていた女の子のことをバラすわけにもいかぬ…と覚悟を決めていたが
「その恋、叶うといいね。応援してる」
なにか聞き出そうとするのではなく、杏ちゃんはいたずらっぽく笑っていた
#7「快晴」
病院の窓から見える夕焼けの空は綺麗だった
満開の桜、遠くに見える虹
今日は大学の入学式に行く予定「だった」
入学式に向かう途中に車との衝突事故に巻き込まれたのだ
医者には命に別状は無いと言われたが、足首に違和感を感じ入院している
明日には退院できるだろうが、今は大人しくしなければならない。
「今日が雨や台風ならば、明日はきっと晴れ…いや、快晴だな」
きっと楽しいことが待ってると信じて
僕は大学生活を楽しみになった
#6「遠くの空へ」
ゆるキャン△にハマったこともあり、年末年始に僕は富士山を見に1人冬キャンプをしていた
この1人で過ごす時間は嫌なことを忘れさせてくれる
何かある訳では無いのだが、家族に干渉されない時間が欲しかったのだ
折角なので初日の出を見ようと、かなり早い時間に起床をしたが、冬のせいで寒くて外で待機なんているのが厳しいと感じるほどに冷え込んでいた
寒さに耐えること10分くらいたっただろうか。東の空が明るくなり始めた
この寒さもあるせいか初日の出は魅力的に見える
この遠くの空が僕達の未来を映し出しているかのような、綺麗な空が広がっていた
#5「言葉にできない」
君が私の前から消えたあの日、言葉にできないほどの深い絶望に襲われた
君は私にあの日、大事な話があると改まっていた
君は私との関係を『恋人というより「兄妹」の関係だと思った』と言った
私は君のことが好きで好きで仕方なくて、誰よりも大切にしてるつもりだったのに
私は君みたいになんでも出来るわけじゃないから頼ることは必然と多くなってしまったよね、ごめんなさい
私は君なとってどんな存在だったの?
少しだけでも君の大切な人になれた?
私は君が振られたあとでも好きだよ
そして私は君とさよならをするために旅に出ようと思う
来世では君の1番になれますように
『本日25:00頃、アパートで中島 藍さんが死体で発見されました---』
#5「春爛漫」
俺は花見に来ていた。
風に吹かれて散る桜が、天然のアクセサリーのようだった。
優しく頬を撫で桜を散らしていく風、昼寝にもってこいの心地よい木漏れ日。
そして一斉に咲いた桜はこれ以上にないほど春爛漫と言った感じだ。
この世を去った君にはどんな風に映っているのだろうか?
−ふと悲しくなる–
君と桜を見ながら話をしたかった。沢山楽しい思い出を作りたかった。
君この花を見てなにを想っているのだろうか