藍(らん)

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#8「神様へ」


 ある日の放課後、隣の席の杏ちゃんが話しかけてきた

 「ねぇらんー、藍は神様、信じてる?」

 唐突な質問だった

 「半分なら信じてるよ」

 通っていた学校はきっと、僕の実力だけじゃ入学をすることができなかったからだ

 「藍、神様を半分信じてたんだ!?((((;゚Д゚))))」

 助けが欲しい時に助けてくれない、なんてこともあるので本当に半分なのだ

 「じゃあ藍は神様が何か一つ叶えてくれるとしたら、なにをお願いするの?」

 今度は真剣な顔で聞いてきた

 「僕は……好きな人と結ばれますように、かな(´•ᴗ•;ก)」

 「藍に好きな人いたんね!?」

 さっきから失礼な(笑)

 「悪かったな!(汗)……神様への手紙を書きたいな」

 昔、恋をしていた女の子のことをバラすわけにもいかぬ…と覚悟を決めていたが

 「その恋、叶うといいね。応援してる」

 なにか聞き出そうとするのではなく、杏ちゃんはいたずらっぽく笑っていた

4/14/2023, 10:31:05 AM