誰もいない教室
放課後に、1人教室に残って、本を読んでいた…人付き合いが苦手で、放課後に遊ぶ友達もいないし、家にも帰りたくなくて…
夕方の教室は、静かで、外の部活の声が、聞こえてくる位で…夕陽が差し込み、埃が舞う教室は、ほっと出来る唯一の場所だった…
でも、矢っ張り、1人の教室は、何処か物悲しい…話し相手はいないけど、誰かの話しを耳にするだけでも、一人じゃないって感じる事が、出来る…休み時間の、騒がしい空気は、決して嫌いじゃない…
一人きり…の教室は、ちょっと哀しくて、少し柔らかで、わたしの存在を、アピール出来る居場所だと思う…
信号
あと3つ…あなたと一緒の帰り道…歩道に伸びる影法師も、先月よりも、長くなった気がする…
あなたと2人の時間は、私にとっては、一番のたからもの…お喋りが下手な私だけど、あなたの声を聞いているだけで、凄く幸せ…
でも、あと3つ目の信号機で、さよならしないといけなくて…しかも今日は、こころなしか、青信号ばかりで、余計に過ぎる時間が早く感じる…ずっとずっと、赤信号ならいいのに…
少しでも長く、あなたの声を聞いて居たいって心で叫んでいるのに、あなたに、気持ちを、伝えられずにいる毎日…
意地悪な青信号が、嫌いになりそう…
言い出せなかった「」
結局、ずっと言い出せないまま、卒業していた…ずっと片想いしていた君に、想いを伝えられずに…何時も、一緒にいて、告げるチャンスなんて、沢山あったのに…
君との出逢いは、入学式から間もない頃…引っ込み思案な私は、なかなかクラスの雰囲気に馴染めなくて、移動教室の時に、迷っていた時に、君から声を掛けられて…何も、言えずに俯く私を、君は、教科書から察してくれて、一緒に行ってくれたね…
それから、3年間、ずっと隣で助けてくれたね…不甲斐ない私を、優しく手助けしてくれて…
そんな君に、惹かれない訳もなく…何気ない会話も、君の癖も、仕草も、心に刻んでいたんだから…痛い奴だって、自分でも自覚しているけど、それくらい、あなたが好き…
それなのに、結局言えないまま、何度も崩れた決心が、今更悔やまれる…今なら、多分、言える…かな…
secret love
誰にだって、秘密があるはず…
家族以上に仲良しのあなたにも、言えない秘密がある…と言うか、あなただから言えない私の秘密…
それは、あなたに抱いている、愛おしい気持ち…もう、ずっと前から、あなたには、友情よりも、もっと強い想いが私の心に芽生えている…
隣にいるだけじゃ、もう、安心出来ないけど…もしも、この関係が壊れて、あなたの近くにいられなくなるのが怖くて…
あなたに一番に知って欲しいのに、あと一歩が怖くて、今日もあなたには秘密を抱えたまま…
ページをめくる
真新しい本のカバーは、シンプルな装丁で、目を奪われる様な派手さは無い…でも、そのシンプルさに、何か心惹かれるものがある…
最近には珍しいハードカバーで、手に取ると、本の厚みの割にはずっしりしている…
表紙をめくると、インクの匂いが鼻腔をくすぐる…この、真新しいインクの匂いも好きだけれど、古本の、あのカビ臭さも、好きだな、なんて事を思ってしまう…
目次の後をめくると、そこには、なんだか懐かしい様な、軌跡を描いた物語が紡がれている…