多田野一人

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8/10/2024, 2:23:17 PM

終点
何となく電車に乗って、幾つもの街を通り過ぎたら、見知らぬ町に辿り着いた…なんて、妄想をしてみた…実際は、電車に乗ったのは、20年位前で、近所の単線の1両の電車くらいしか見ない…
でも、子供の頃から、電車は憧れで、知らない遠い場所に行ってみたいと、思っていた…あの、謎の美女と、機関車で旅するアニメの影響もあったけれど…
知らない街で、誰も知らない中で、ひっそり暮らしてみたい…そんな想いを胸に秘めていた…

8/9/2024, 2:35:14 PM

上手くいかなくったっていい
あなたと出会えて、少しずつだけれど、笑えるようになった気がする…
今迄、ずっと独りが好きで、恋人だっていらないって思っていた…
でも、あなたを知ってから毎日が楽しくて、生きていたいと、思えてきた…あなたの声、優しい眼差し、暖かい指先…あなたの仕草の全てが、好き過ぎて、ずっと過ごしたいと思っているから…
例え、あなたが、私を選ばないとしても…この気持ち、伝えずには、いられない…

8/8/2024, 2:59:56 PM

蝶よ花よ
お嬢様…そう呼ばれていた君が、何故、僕の所に…
初めて会った時、君は、周りの取り巻きから、ちやほやされていて、貧乏人の僕なんか、まるで意識していなかった…時々すれ違う事はあったけれど、君の瞳には、僕の存在なんて、まるでなかったようだね…僕をも、住む世界が違う人に、興味なんて無かった…
それがある時、君が僕にぶつかってきたのに、謝らないのに注意してから、何故か絡んで来るようになって…そして、今、こうして一緒に歩いている…

8/7/2024, 2:59:56 PM

最初から決まってた
あなたとの出逢いは、屹度運命だよ…口には出さないけれど、そう思っている…
初めて逢ったのは、あの図書館…好きな作家の本を探していて、漸く見付けて手を伸ばしたけれど、ちょっと届かなくて困っていたら、何も云わずに取ってくれたね…私にその本を渡すと、その儘すっと立ち去ったね…其れから、何度と無く、あなたの姿を見かける様になって、でもあの日以来、なかなか言葉を交わす事も無くて…せめて、お礼くらい伝えたくて、ずっと機会を探していたら…
偶々、図書館の近くのカフェに入るあなたの姿が見えて、何となくあとを追ってから…

8/6/2024, 2:55:51 PM

太陽
ジリジリの照りつける真夏の太陽…照り返しも、容赦無くまとわりつく…
青空には、真っ白な雲と、眩しい太陽が浮かんでいる…噴き出す汗と、煩い蝉の声、時々吹く熱風…得も知れないといイライラと、肉体的な疲労とで、心身共に押し潰されそうになる…そんな、いつ果てるとも知れない夏の一日を、せせら笑うような、容赦無い夏の太陽が、恨めしい…

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