澄んだ瞳
あなたの瞳には、何も隠せない…真っ直ぐで曇りの無い瞳は、心の奥底迄、見透かされそう…
いつも真摯なあなたに惹かれて、偶に垣間見える優しい眼差しにも、心掴まれたから…
あなたの、じっと見つめるその瞳、逸らしたいけど、逸らされるのは寂しい…
嵐が来ようとも
今日は、昨日でも明日でもない…毎日が、今日の連続だけれど、今日は、この日一日しかない…
昨日は、変えられないし、明日は、未知の世界…何れにしても、踏み出すしかないこの世界、新しい今日が激しい嵐だとしても…
お祭り
7月になると、六月灯を思い出す…ただ、お宮参りするだけのお祭り…
踊りだの、山車だのは無くて、鳥居周辺の夜店を冷やかす簡素な夜祭り…せいぜい、行燈に絵を描いて、参道沿いに這わせた荒縄に、吊るして奉納するくらいで…
金魚掬いや、綿あめ、ひよこ釣り…何かし乍ら、夏の夜を過ごした…仲良しの女の子の浴衣姿に、ドキドキして、握りしめた百円玉が汗でしっとりしていた…
そんな、微かな遠い記憶がごちゃまぜになって、切なく甘い想いがこみ上げてくる…
神様が舞い降りて来て、こう言った。
ちょっとした山道を歩いている…木立ちの中の小径で木々の間から、青空が覗いて、木漏れ陽が眩しい…
でも、不思議と、暑くも無く、野鳥の鳴き声も聞こえない…ただ、よく判らない儘、緩い山道をゆっくり登って…
どのくらい歩いただろうか…不意に視界が拡がり、下り坂の向こうの丘の上に、大きな木が見えた…周りの木々は、風にそよいでいるのに、其木は、微クリともしないで立っていた…そして、視線が、その巨木にあった時…
誰かのためになるならば
私が居なくなれば…あの人が、幸せになるのならば…そう思う日々…でも…本当は、ずっと側にいたい…あの人の為に、色々してあげたい…
だけど、あの人が、私の為に、大変な思いしていることを知っているから…優しいあの人は、無理しているのを、そっと隠している…だから、早くあの人のもとから、居なくなればならないけれど…
でも…でも…離れたくはない…